「喫煙車」は価値下がる? クルマへの影響とは
中古車の「喫煙歴」、明確にできるのか?
全国で中古車販売店を展開するネクステージ(名古屋市中区)に話を聞きました。
――喫煙車と禁煙車とでは、販売価格にちがいはありますか?
流通全体としては、喫煙車か禁煙車かという区分は明確にはありません。というのは、オーナーが複数変わっているクルマは、その「喫煙歴」を追うことは不可能であり、基準があいまいだからです。少なくとも当社では、価格が変わることはほとんどありません。
――ユーザーのニーズはどうでしょうか?
確かに、タバコに限らずニオイは全般的に、問い合わせ事項として多いかもしれません。ワンオーナー車であれば「前のオーナーはたばこを吸っていましたか?」と聞かれた際に、前オーナーからの聞き取り結果を参考としてお伝えすることはできます。
――下取り査定時はいかがでしょう? やはり査定額は下がるのでしょうか?
タバコによる黄ばみはひとつの査定要素ではありますが、ことさらタバコに注目するのではなく、全体の汚れ具合や状態で判定するので、あくまで汚れのひとつとして見ています。また当社の場合、ニオイについては下取り後に消せることもあり、大きな査定要素とは考えていません。
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下取り査定については、喫煙そのものというよりも、これを要因とする汚れなどがやはり影響するようです。具体的な基準はあるのでしょうか。中古自動車査定制度を運営する日本査定士協会に話を聞きました。
――車内での喫煙による汚れなどは、下取り査定に影響しますか?
店や査定士にもよって異なると思いますが、協会としては査定に一応の目安を設けています。車内にタバコなどの異臭がある場合は40点、天井や内張りなどにヤニが著しく付着していれば60点減点です。点数に対する価値基準も販売店ごとに異なりますが、1点1000円とすると、60点ならば6万円の減額になります。
――それは、喫煙に対する昨今の風潮から設けられたものでしょうか?
いえ、この基準は昔から存在します。喫煙する方が減り、昔は当たり前にあった灰皿がクルマからなくなっているので、最近の傾向と思われているのかもしれません。
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中古車流通の現場においては、そのクルマに「喫煙歴」があるかどうかはさほど重要ではなく、それそのものよりも、室内がきれいかどうかが重視されるということのようです。
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提供:乗りものニュース