クルマの自動運転と「運転の楽しさ」は両立するか マツダが出したひとつの答えとは(写真11枚)
クルマの自動運転を視野に入れた先進の安全技術が進む昨今ですが、マツダはどのように考えているのでしょうか。
マツダの「人馬一体」と「自動運転」は矛盾しない?
どこの自動車メーカーも、自動運転を見据えた先進の安全技術に取り組む昨今ですが、これは運転そのものの楽しさを追求することとは相反するのではないか、という見方もあります。
2017年4月9日(日)、マツダが都内で開いた「安全取材会」の冒頭で、松本浩幸 執行役員 車両開発本部長が語った「コパイロット(副操縦士)コンセプト」と称するマツダの自動運転に対する考え方によれば、運転するのはあくまで人であって、クルマはドライバーの認知、判断、操作に異常を検知した場合、即座に運転をとって代わり(オーバーライドし)、自動運転により周囲を含め安全な状態を維持するといいます。
さらに、同取材会のメニューのひとつとして、高齢者の体の状態を身をもって経験してみようというものが用意されていました。おもりの入ったベスト、歩きにくいサンダル、足首まわりやひざ関節の自由が著しく制限されるサポーターなどを身に着けると、確かに杖なしでは歩くこともままならなくなります。加えて視界を制限するメガネもかけ、そうした状態でクルマの運転席に座ってみると、記者は正直、運転などとてもできる気がしませんでした。もしかすると周囲以上に、高齢者ドライバー本人も危険に思っているのかもしれません。
そうしたとき、クルマの側で高齢者の運転をサポートし、運転そのものを免許返納の最後の瞬間まで楽しんでもらおうというのが、マツダの考える自動運転のひとつの側面だそうです。
しかしマツダの安全に対する取り組みは、「i-ACTIVSENSE(アイ・アクティブセンス)」に見られるような、レーダーやカメラなどを駆使した最新の先進安全技術に関するものばかりではありません。たとえば、アクセルとブレーキのペダル位置を見直すという、ともすれば地味に思えるような点も改良しています。