夏が終わらない「もてぎ」 灼熱の戦いはどうなった? GR86・BRZ対決! 悩みは共通も解決策は異なる面白さとは

スーパー耐久シリーズ第5戦「モビリティリゾートもてぎ」での#61Team SDA Engineering BRZ CNF Conceptと#28 ORC ROOKIE GR86 CNF Conceptの走りはどうだったのでしょうか。

2023年のもてぎも暑い! 熱い! 2台の戦いはどうなった?

 スーパー耐久シリーズ第5戦はモビリティリゾートもてぎで行なわれる5時間耐久です。
 
 もてぎを含めて残り3戦となった中で28号車「ORC ROOKIE GR86 CNF concept」と61号車「Team SDA Engineering BRZ CNF Concept」の戦いはどうなっているのでしょうか

#61Team SDA Engineering BRZ CNF Conceptと#28 ORC ROOKIE GR86 CNF Concept
#61Team SDA Engineering BRZ CNF Conceptと#28 ORC ROOKIE GR86 CNF Concept

 前回のオートポリスから約1か月、ST-Qの規定でオートポリスをスキップしたBRZ CNFコンセプトは約2か月振りの参戦となります。
 
 この間、マシンはどのような進化を遂げたのでしょうか。

 進化の内容について、Team SDA Engineering監督の本井雅人氏に聞いてみました。

「第3戦(SUGO)でのクラッシュの修復でフロント周りは新品パーツに変更。

 それに加えて、これまでの知見・課題を元に、リアサスペンションのアップライトを量産車とは異なるモノを開発して採用。

 その目的は動きの線形性、クルマの唐突な挙動を抑えるのが目的で、アライメントも新しくなっています。

 もちろん、このアップデートはトヨタさんとも情報共有しています」

 このような進化について、ドライバーからはどのようなフィードバックがあったのでしょうか。

「リアの安定性が上がり、コントロールがしやすくなったと。
 なかでもこれまで厳しいコメントが多かった山内選手から『とっても良い!!』と聞き、ホッとしています」

 一方、GR86 CNFコンセプトはどのような進化を遂げたのでしょうか。

 開発責任者の藤原裕也氏に聞いてみました。

「車体のリア周りに手を入れています。

 ただ、後付けのブレースと言った対処療法ではなく、車体その物に手を加えているのがポイントです。

 このクルマには様々なセンサーを取り付けていますが、そのデータとシミュレーションを元にアップデートしています。

 車体側のアップデートに伴い、リアスタビライザーも新たな物をトライしています」

 この改良に関して、ドライバーからのフィードバックはどうでしょうか。

「従来は旋回からアクセルを踏んで立ち上がる所でちょっと裏切られる感じがあったのですが、その辺りはかなり改善されています。

 実はセットアップの煮詰めでリアスタビライザーは外していますが、クルマの仕上がりとしてはいい方向に向いています。

 もちろん、このアップデートはスバルさんとも情報共有しています」

#28 ORC ROOKIE GR86 CNF Conceptと#61Team SDA Engineering BRZ CNF Concept
#28 ORC ROOKIE GR86 CNF Conceptと#61Team SDA Engineering BRZ CNF Concept

 2人の話を聞いていると、悩みは共通ですが、その解決のためのアプローチ方法が違うのが興味深い所と言えるでしょう。

 土曜日の午後に行われた公式予選は、曇り空ながらドライコンディションで実施されました。

 予選タイムはA/Bドライバーの合算となりますが、結果は以下になります。

 ●ORC ROOKIE GR86 CNF Concept
 4分19秒922
 A:加藤恵三選手 2分10秒331
 B:山下健太選手 2分8秒098

 ●Team SDA Engineering BRZ CNF Concept
 4分20秒770
 A:廣田光一選手 2分11秒712
 B:選手 2分9秒497

 ちなみに2022年の予選タイムと比べると、BRZ CNFコンセプトは-0.815秒、GR86 CNFコンセプトは-0.719秒と2台の進化がタイムにシッカリと表れています。

 予選について本井監督は次のように語っています。

「着実に速くなっていますが、トヨタさんも更に速くなっています。

 でも、決勝はチーム力も試されるので勝負できると信じています」

 対して藤原氏は次のように話しています。

「もう少しイケると思っていましたが、この暑さでエンジンが本来の実力を発揮できておらず。

 32号車(GRヤリスDATコンセプト)も同様の問題を抱えており、その対策を共有して決勝に挑みます」

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