なぜ日本人は「ハイブリッド車」に乗る人多い? 今や定番ジャンル… ガソリン車より高価でも支持される理由とは
日本自動車販売協会連合会の統計によれば、2022年の乗用車におけるハイブリッド車(HEV)の販売比率は49.0%となり、統計開始後はじめてガソリン車を上回りました。ほとんどのユーザーは割高な車両価格の元を取れないと言われているなかで、なぜHEVは人気を高めているのでしょうか。
日本でのHEV比率がついにガソリン車を上回る!
2022年の新車販売台数では、ハイブリッド車(HEV)の販売比率がはじめてガソリン車を上回りました。
高い燃費性能が魅力のHEVですが、ほとんどのユーザーは「車両価格の元を取れない」と言われているなかで、なぜHEVは人気を高めているのでしょうか。
日本自動車販売協会連合会の統計によれば、2022年の乗用車におけるハイブリッド車(HEV)の販売比率は49.0%となり、統計開始後はじめてガソリン車を上回りました。
新車販売のおよそ半数がHEVという市場は世界でもほとんどなく、いかに日本人がHEVを好んでいるかがわかります。
ただ、HEVは同型のガソリン車に比べて10%-20%程度割高であることが多く、その差額を回収するためには相当な距離を走る必要があります。
実際にはHEVを購入したユーザーの多くが元を取れないと言われていますが、にもかかわらず、日本でこれほどまでにHEVが浸透したのにはいったいどのような理由があるのでしょうか。
もちろん、政府による補助金政策がHEVの普及に大きく貢献しました。
産油国ではない日本にとって、ガソリンの消費量が少ないクルマを普及させることは国益にかなっており、政府が積極的に支援する理由もそこにあります。
一方、HEVよりもさらに手厚い支援がされているBEVは、諸外国に比べて普及が進んでいません。
つまり、日本におけるHEV普及の背景には、補助金政策以外の要因があることがわかります。
一般的には、日本人の環境意識の高さに加え、スタート&ストップが多い日本の交通環境にHEVが適していたことなどが大きな要因とされています。
さらに、「残価設定ローン」を利用するユーザーが増えたこともHEVにとって追い風となっています。
残価設定ローンは、将来の残価を差し引いた金額が月々の支払い額のベースとなります。
HEVはガソリン車に比べて残価が高い傾向があるため、残価設定ローンを利用すると月々の支払い額がガソリン車と大きく変わらないケースが少なくありません。
月々の支払い額が変わらないのであれば、ランニングコストが低いHEVが選ばれやすくなります。