トヨタは2023年9月6日、新型「センチュリー」を世界初公開しました。同日から受注を開始し、発売は2023年中を予定しています。
　
　これまでのセダンタイプに加え、新たな最上級モデルとして登場しましたが、販売店オプション（ディーラーオプション）もケタ違いに高額なものが用意されています。

　センチュリーは1967年に誕生したトヨタの最上級ショーファーカー（専属ドライバーが運転し、後部座席にオーナーや客が乗車する使い方を主とした高級乗用車）で、一貫してセダンボディのみを展開してきました（イベント用特別仕様車を除く）。

　新型は「The Chauffeur（ザ・ショーファー）」というコンセプトを掲げ、常に本質を追求し、センチュリーにふさわしい品格や静粛性・乗り心地を継承しつつ、センチュリーとしてこれからの時代もユーザーの期待に応え続ける新しいショーファーカーへと進化したといいます。

　ボディは5ドアのSUVタイプとなり、サイズは全長5205mm×全幅1990mm×全高1805mm、ホイールベースは2950mmと、セダンと比較すると130mm短く、60mm幅広く、300mm高くなっています。

　プラットフォームはTNGAを採用し、リアサスペンション取り付け部にボディねじり剛性や乗り心地を向上させる「ラゲージルームセパレーター骨格」を結合。室内側には「遮音機能付クリア合わせガラス」を装備することで、静粛性もアップしています。

　パワートレインには3.5リッターV型6気筒エンジン＋前後モーターに51Ahのバッテリーを組み合わせるプラグインハイブリッドを採用。駆動方式は4WD（E-Four Advanced）で、システム最大出力は412馬力を発揮します。

　エクステリアやインテリアは、歴代モデルから継承されてきた意匠をそのまま引き継ぎ、職人による彫刻が施された「鳳凰エンブレム」や、ボディに強い光沢をもたらす「鏡面磨き」など、“匠”の手による細部にわたる仕上げを実施しています。

　国産最上級モデルらしく、各種詳細装備に至るまで「贅」の限りを尽くしたともいえる新型センチュリーですが、販売店オプションも匠によって仕上げられた、ほかの乗用車では類をみない特別装備が設定されています。

　多くのクルマで用意されるフロアマットも、センチュリーではフックド・ラグと呼ばれる伝統技法によってハンドメイドで仕立てられた高級マット「丹後緞通（たんごだんつう）」を採用。

　専用デザインが起こされたほか、高密度でボリューム感があり、上質な踏み心地を実現するといいます。オプション価格（消費税込）は40万7000円です。

　さらに、後席を乗り降りする際に乗客がまたぐ足元（サイドシル部）を装飾するスカッフプレートにもオプションが設定されています。名称は「匠スカッフプレート『柾目』」で、こちらは1台分で77万円とかなり高額な販売店オプションです。

　特徴は、スギやヒノキなどの丸太を中央付近で垂直に切り出したときに現れる「柾目（まさめ）」をモチーフにした模様が彫られている点にあります。

　これはトヨタの試作車づくりを担う板金職人のなかでも、卓越した技術を持つ匠だけが手掛け、板の表情や叩く音、手に伝わる振動などを感じ取り、金槌で1点1点模様が施されるといいます。

　製作担当の匠はこのスカッフプレートについて以下のように話します。

「フロント用とリア用でそれぞれ、5000回・7000回叩いて刻印を施しています。工数がかかるため、1日あたり2個が製作の限度です」

　このほか、専用ハーフシートカバー（17万500円）や、鳳凰刺繍入りクッション（2個・7万400円）など、通常モデルの商品と共通するものであっても最上級車らしく、随所にこだわりが感じられるオプションを設定しています。

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　新型センチュリーの価格（消費税込）は2500万円で、2023年中の発売を予定。従来のセンチュリー（セダン）と併売されます。

　なお、一部の販売店ではセンチュリーを熟知したセールス・エンジニア「センチュリーマイスター」により、ボディカラーや内装など好みに合ったカスタマイズを可能とするプランを用意する予定です。