ガソリンは「税金の塊」だった! 税金が占める割合は? 発動「見送り」トリガー条項って何? “不可解”なほど高いガソリン価格の現状とは

高騰が続くガソリンは4割近くが税金だといいます。どういうことなのでしょうか。また、発動が見送られたトリガー条項とは一体何なのでしょうか。

そもそもガソリン価格の内訳とは?

 2023年8月30日に15年ぶりに高値を記録したガソリン価格は、実は価格の半分近くが税金で占められているといいます。
 
 そんななか、「トリガー条項」の発動や補助金の継続などが議論されていますが、そもそもガソリンにはどのような税金が課せられているのでしょうか。また、トリガー条項とは何なのでしょうか。

高すぎるガソリン価格、どうなってる?
高すぎるガソリン価格、どうなってる?

 ガソリン価格はこのところ高騰が続いており、8月30日の資源エネルギー庁の発表によると、レギュラーガソリンの店頭小売価格(消費税込)の全国平均は185.6円を記録しました。

 これは、比較できる1990年以降で最も値段が高かった2008年8月の185.1円を上回り、15年ぶりに記録を更新したことになります。

 さらに、9月6日の発表では186.5円と0.9円の値上がりを記録し、2週間連続で高値を更新しています。

 この理由には、近年続いている円安の影響や原油価格の高騰などが挙げられますが、ガソリン販売価格のうち、こういった影響を受けるガソリンそのものの価格は約60%にすぎません。

 残る40%はいわゆる「ガソリン税」や「消費税」など税金が課せられています。

 ガソリンにかかる税金は、ガソリン税と石油石炭税、温暖化対策税、消費税があり、このうちガソリン税は揮発油税と地方揮発油税を合わせたもの。これらは本則の課税部分と、暫定的に上乗せされている部分(いわゆる暫定税率・当分の間税率とも)に分けられます。

 たとえば、1リットルあたり185円の時、ガソリン税は本則部分が28.7円、上乗せ部分が25.1円、石油石炭税と温暖化対策税が合わせて2.8円、これらの合計は56.6円となり、ガソリン本体価格は112円ほどです。

 また、消費税は本体価格にガソリン税などを含めた金額、つまりこの例では本体価格とガソリン税などを合計した約168円に課税され、税金に税金が課せられる、いわゆる「二重課税」となっています。

 これについて、JAF(日本自動車連盟)ではかねてより暫定税率部分廃止の要求と、ガソリン価格への不可解な二重課税問題の解消を訴えており、8月31日にも改めて声明を発表しました。

 こうした課税制度によって、ガソリンの小売価格がガソリン自体の価格の約1.6倍となっており、自動車ユーザーが到底理解や納得ができない仕組みを一刻も早く解消すべきと指摘しています。

 一方、政府は8月23日、ガソリン税の一部を軽減するトリガー条項の発動を見送る方針を固めたことが各紙で報じられました。

 トリガー条項とは、レギュラーガソリン1リットルあたりの平均小売価格が3か月連続で160円を超えた場合、ガソリン税の一部の課税を停止するというもので、実際に発動されればガソリン価格が1リットルあたり25.1円引き下げられることとなります。

 現在、3ヶ月連続で160円を超えている状況であることから、トリガー条項の発動条件に合致しているものの、29日に鈴木財務相が改めて「発動は見送る」と発言したことが報道されています。

 これは、発動直前の買い控えが起こることや、駆け込み需要が生じること、販売現場での混乱が生じるからということが、主な理由として挙げられています。

 しかし、トリガー条項の発動がなされない状況を受けて、SNSなどでは不満の声が数多く投稿されています。

「ちんたらしてトリガー条項すら発動しない」「なぜ何も動かない?」など、トリガー条項発動を強く求めるコメントや、「どんだけ、ボッたくられてんだ」「ガソリン価格のほとんどが税金って舐めとるわな」「高いのはガソリンじゃない。税金だ」など、ガソリン価格に占められる税金の割合が高いことなどを問題視する人も。

 さらに、「日本国民を救う気が無い」「国民を殺しにかかってる」「ガソリンは贅沢品じゃない、日用品だ」など、政府への怨嗟やガソリンの必要性の理解を求める投稿も多く見られます。

※ ※ ※

 物価上昇によってさまざまな支出が増えていくなか、かつてないほどのガソリン高騰でさらに国民の負担が増しています。

 物流などにも大きな影響を与えるほか、地方や郊外などではクルマは日常生活に欠かせない地域もあり、暫定的に上乗せされている部分や、税金に税金がかかる二重課税は特に負担が大きい問題といえます。

 トリガー条項発動を求める声や、税負担の多い現状に多くの不満の声が寄せられるなか、政府は今後ガソリン価格低減に向けて対策を講じるのか、注目が集まります。

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1件のコメント

  1. うん、気になるのが「当分の間税率」が集められていますが、実際問題何に使用されているのか?ですね
    どのくらいの金額が集められ、どのくらいの期間にどれだけ使用されたのか?
    少なくとも国民に「この税金はこういう風に使用しています。残金はこのぐらいです」とある程度の説明は必要じゃないでしょうか?
    (大雑把な説明、例えば「当分の間税率によって集めた税金は、一般財源に組み込みました~」なんてのは通用しませんよ。PTAですらまともに報告出しているのだから(例え悪っ!))

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