なぜ「キー閉じ込み」いまだに減らない? 「電子キー」普及でもトラブル多し! 「インキー」の原因は一体何?
スマートキーが普及した現在でも「キー閉じ込み」によるトラブルは後を絶ちません。なぜなのでしょうか。
いまだ減らない「キー閉じ込み」 原因は?
クルマの中にキーを置いたままロックをかけてしまう「キー閉じ込み」(インキーとも)は、ロードサービスの出動要因として上位に位置しています。
しかし、キー閉じ込み防止機能があるはずのスマートキーが普及した現在でも発生することがあるといいます。なぜキー閉じ込みは起こってしまうのでしょうか。
かつて、リモコンキーやスマートキーがなかった時代は、物理的なキーを鍵穴に挿してクルマの解施錠やエンジン始動を行っていました。
クルマを降りる時も、本来なら外側からキーを挿し込んでロックしますが、ドアを開けて車内側から施錠し、ドアハンドルを引いたままドアを閉めることでキーを使わずにロックできるクルマが多くありました。
このとき、キーが車内にがあるままロックしてしまうと「キー閉じ込み」となります。
近年はスマートキーの普及が進んでおり、キーを服のポケットやカバンの中に入れたままロックを解除したり、エンジンをかけたりできるようになっています。
このスマートキーシステムには、キー閉じ込み防止機能が備わっており、スマートキーを車内に置いたまま外からロックしようとしても、「ピーピー」と警告音が鳴ってロックされないようになっています。
例えば、日産の「インテリジェントキーシステム」は、車内やトランクにキーを閉じ込めることがないよう、ドアやトランクを閉めた瞬間にドアの施錠状態とキーの車内残留状況を検知し、閉じ込め状態を検出した場合、ブザーで知らせると同時に自動でドアが開錠される仕組みになっているといいます。
しかし、現在もキー閉じ込みのトラブルは相変わらず発生しており、JAF(日本自動車連盟)によると2022年度の「キー閉じ込み」による出動件数は、12万件を超えるといいます。
原因はうっかりミスなどのヒューマンエラーが多いとのこと。例えば、キー操作でトランクを開けて荷物を出し入れする際、キーを荷室に置きっ放しにしてそのままトランクを閉めてしまったという事例です。
セダンのキーでよく見られるトランク開閉ボタンはロックに関与していないことを知らない人もいるようで、キー閉じ込みにつながってしまうようです。
ほかにも、エンジン停止中の車内に置いたカバンの中で、キーのロックボタンが押されてしまいロックがかかってしまったケースもあるようです。何らかの物が当たってキーのボタンが押されないよう、キーを入れるポケットにはほかの物を入れないなどの対策が必要です。
また、スマートキーはキーとクルマの間で電波によって通信するため、周囲の電波状況やキーの置き場所などによって、キー閉じ込みが発生する恐れがあるといいます。
トヨタは「インストルメントパネル上面・ドアポケット付近に電子キーを置いたまま車外に出ると、電波の状況によっては車外アンテナに検知されて車外からのドアロックが可能になる場合があり、電子キーが車内に閉じ込められるおそれがあるため注意してください」と呼びかけています。
このほかにも、よくある原因としてスマートキーの電池消耗が挙げられます。
電池が消耗してクルマがキーを検知できなくなり、上記のように置き場所が悪かったことなどでロックされてしまうケースも考えられます。
クルマによってはスマートキー電池の残量が少なくなった際に、メーターの警告灯や表示などで知らせてくれる機能もありますが、それ以外にもキーが作動しないことが増えたなど、電池が消耗していると感じた場合は、早めに電池交換を行うことが大切です。
こういったものがキー閉じ込みの原因ですが、まずはクルマを離れる時に必ずキーを持ち歩く習慣をつけることが最も効果的な対策といえるでしょう。
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スマートキーが普及した現在でも、キー閉じ込みトラブルは発生しています。
ドライブ先でクルマに乗れず、ロードサービスを待つといった事態を避けるために、今一度キーの持ち歩き方や保管について考えてみてはいかがでしょうか。
結構、誤作動での出動もありました。