多摩川「等々力大橋」の開通は5年遅れに “東京~川崎の新動脈”で工事難航 計画を狂わせた4年前の出来事とは

多摩川で建設が進む新しい橋「等々力大橋」(仮称)の完成が、5年遅れる見通しです。どのような課題があるのでしょうか。

目黒通りが多摩川を渡る!

 多摩川で建設が進む等々力大橋(仮称)の開通が、当初予定から5年遅れる見通しとなったことが分かりました。

一部完成している等々力大橋(仮称)の橋脚(画像:川崎市)
一部完成している等々力大橋(仮称)の橋脚(画像:川崎市)

 等々力大橋は、多摩川に架かる新しい橋です。

 北側の東京都世田谷区で目黒通り(都道312号、放射3号線)、南側の川崎市中原区で都市計画道路宮内新横浜線と接続。全線が開通すると第三京浜と並行しながら東京と川崎・横浜方面をつなぐ新たなルートになります。

 また、上流の新二子橋・二子橋(国道246号、放射4号線)と、下流の丸子橋(中原街道、放射2号線)の中間に位置しており、これらの橋の渋滞緩和も期待されています。

 計画されている等々力大橋の長さは385.9m、総幅員は31.65mで、車道は4車線(片側2車線)です。

 2023年8月17日に開催された川崎市まちづくり委員会の資料によると、2017年3月に、総事業費98億4300万円を川崎市と東京都で折半することや協定期間を2026年3月までとすることなどを決めた工事施行協定を締結。建設は都が、その後の管理は市が担います。

 2017年11月から工事が始まっており、これまでに川崎側の橋台と、橋脚2基が完成しています。

 しかし橋脚の残り1基は、活用予定だった中州が2019年10月の東日本台風で大きく変形してしまったため工事が中止に。その後、仮橋形式による両岸からの施工に変更し、2023年度から工事を再開しています。

 また、世田谷側の橋台については、着手に向けて川沿いを走る多摩堤通りを北へずらす必要がありますが、用地取得率は現状で約50%止まりです。都は、交渉体制を強化し多摩堤通りの移設工事を2026年度に完了させる方針といいます。

 その結果、2025年度とされてきた工事完了の時期は5年繰り下がり、2030年度になる見通しです。

 あわせて川崎市と東京都が締結している協定の期間も5年延長し、2031年3月までとなります。

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