トヨタ新型「ランクル70」発売! 9年ぶりでも熱狂冷めず…なぜ日本で再々復活遂げた? 熱望されたワケ
2023年8月2日に日本再導入が発表されたトヨタ「ランドクルーザー70」は、「ランクル3兄弟」のなかでもやや異色のモデルです。ただ、日本の一部ユーザーにとって、ランドクルーザー70はなくてはならない存在でした。
日本のユーザーがランクル70を熱望した理由
2023年8月2日、トヨタは新型「ランドクルーザー250」を世界初公開し、さらに「ランドクルーザー70」の日本再導入も発表しました。
すでに世界各地で販売されている「ランドクルーザー300」とあわせて全3シリーズのランドクルーザーが出揃いました。
いずれもランドクルーザーの名に恥じない高い悪路走破性と圧倒的な耐久性を兼ね備えている点は共通していますが、それぞれのモデルが持つ性格は少々異なります。
たとえば、ラインナップの中心に位置する300は、高い質感と上級装備を持つ高級乗用車という印象の強いモデルです。
250は、300に比べてコンパクトなボディやパワートレインを持ち、日常的な使い勝手の良さが魅力の1台となっています。
一方、シリーズのなかでもやや異色の存在と言えるのが70で、300や250と比べると機能や装備が制限されています。
さらに言えば、現在の日本の公道を走行する上で必要十分な機能を備えてはいるものの、基本的な構造は1984年の登場から大きくは変わっていません。
日本国内では1984年から2004年にかけて販売された70系は、2014年に1年間の期間限定で再販売が行われています。
1度販売終了したモデルが再販売されるケースはそれほど多くはありません。
ただ、70に関しては、オーストラリアや中南米といった国々の農園や鉱山などの移動車両として重宝されており、そのほかのモデルでの代替が難しいことから、日本で販売終了となった後も海外向けに生産が継続されていました。
「ゼロからの復活」ではないという意味では、ほかのモデルに比べて再販売のハードルが低かったのは事実かもしれません。
しかし、70系が2度にわたって再販売された背景には、日本のユーザーからの強い声もあったようです。
世界で最も長い歴史を持つクルマのひとつであるランドクルーザーは、トヨタ自身が「どこへでも行き、生きて帰ってこられるクルマ」と称しています。
これは、「ランドクルーザーでなければ行けない場所」があるユーザーにとっては、ランドクルーザーを選ぶ以外の選択肢がないということを意味しています。
諸外国に比べて道路環境が整っていると言われる日本ですが、実は国土の大部分を山地や森林が占めており、わずかな平地に大多数の人々が居住している状態です。
ほとんどのユーザーは、未舗装の山地や森林にクルマで出入りすることはありません。
しかし、林業を営む人や森林保全に関わる人、行政関係者など、そうした場所へ日常的に行き来する人が一定数存在しています。
70はそうした人々に対して高いニーズを誇っています。
というより、70以外ではそうした用途に適したモデルは、トヨタ「ハイラックス」やスズキ「ジムニー」などをのぞけばほとんどありません。
70が再販売を繰り返す背景には、そうした人々からの強いニーズがあったことは間違いないでしょう。
初代プラドはシャ-シをハイラックスと共用(リヤ-コイルスプリング)。その後70がプラドのボデイをAピラ後ろ半分とシャ-シ-を70(リ-フスプリン)と共通に海外専売車とした