「えっ…2.7億円!?」謎の「鉄クズ」が“超高額落札”! 「車のような何か」の正体とは

2023年8月17日から19日にかけて行われたRMサザビーズ・モントレー・オークションで、見るも無惨な姿のフェラーリ「500」がオークションに登場。一見するだけではクルマとさえわからないこの物体に、まさかの187万5000ドル(約2億7000万円)の値が付きました。

スクラップ同然の車体がまさかの2億円超え!

 2023年8月17日から19日にかけて、RMサザビーズ・モントレー・オークションが行われました。そのオークションで登場したのが、焼けただれたフェラーリ「500 Mondial Spider Series」です。

 もはや値段が付くのかさえ怪しそうな状態ですが、その落札額は187万5000ドル(約2億7000万円)にもなりました。

 驚きの値段が付いたこの車両について、詳細を追ってみたいと思います。

これが…フェラーリなの? 2.7億円で落札された「500 Mondial Spider Series」(Photo:RMsothebys)
これが…フェラーリなの? 2.7億円で落札された「500 Mondial Spider Series」(Photo:RMsothebys)

 イタリアの高級自動車メーカーとしてその名を知られているフェラーリ。今回出展されたのは、同社が1954年に製造した「500 Mondial Spider Series」というレーシングカーです。

 1950年代、フェラーリは4気筒エンジンの開発に力を入れていました。これは直線が少なく、曲がりくねったコースでもスピードを出せるように考えられたもので、1950年代前半のレースで大きな成果を上げました。

 そして1952年と1953年にかけ、スクーデリア・フェラーリのドライバーであるアルベルト・アスカリが当時のフォーミュラカーの世界選手権で優勝を果たします。これを記念して作られたのが、今回の「500 Mondial Spider Series」です。

 もともとの生産台数はわずか15台。しかも今回の車体番号「0406 MD」は、その15台の中でも数少ないピニンファリーナ製のモデルだそうです。

 「0406 MD」は1954年のミッレミリアで走行するなど、ヨーロッパ各地のレースに出場。その後1958年に米国へ輸出されました。しかしその米国でレース中にクラッシュし炎上、現在のような見るも無惨な姿になったそうです。

 車体は見る影もないほどボロボロですが、各種証明書などは完備。また、フェラーリ「750 モンツァ」に搭載した3リッターの直列4気筒エンジンも付属しています。そのおかげか、最終的に落札価格は187万5000ドル(約2億7000万円)まで上昇しました。

※ ※ ※

 驚きの価格が付いた「500 Mondial Spider Series」。しかしながら、フェラーリの古いレーシングカーは、これ以上のすさまじい値段で取引されています。

 例えば2018年のRMサザビーズ・モントレー・オークションに出展されたフェラーリ「250 GTO by Scaglietti」は、4840万5000ドル(約70億円)で落札されました。近年クラシックカーの価値がさらに上がっている点も合わせて鑑みると、これだけの価格が付くのもおかしくないのかもしれません。

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