クルマの屋根に付いてる「謎の黒い部分」何に使う? 最近少なくなってきた? めちゃ“開放感”ある“天窓”いつから存在するのか
街中で見かけるクルマの中で、屋根の一部分が黒くなっているものがまれに存在します。これは屋根の塗装ではなく「サンルーフ」と呼ばれる装備ですが、どのようなもので、どのような歴史や進化があるのでしょうか。
「謎の天窓」その歴史は意外と浅い?
街中で見かけるクルマの中で、屋根が黒くなっているような車両をまれに見かけることがありますが、ツートンカラーの車両のように屋根全体ではなく、一部分だけが黒くなっているものが存在します。
これは屋根の塗装ではなく「サンルーフ」と呼ばれる装備であり、黒い部分はガラスや樹脂となっていて、屋根の部分にガラスパネルをはめ込むことで開放感を得ることができる、いわゆる“天窓”のようなものなのです。
このサンルーフ、日本で初めて登場したのは1968年。ホンダの軽自動車「N360」に追加設定された「N360 サンルーフ」でしたが、当時はまだガラスや樹脂ではなく、布製のルーフを手動で開閉するという、今でいうキャンバストップのようなものでした。
そして現代でも存在するような電動式のサンルーフとなると、初めて純正採用されたのはこちらもホンダの「プレリュード」(初代)で、1987年のこと。初期モデルは鉄板のルーフ開口部が電動でスライドするものでしたが、マイナーチェンジのタイミングで鉄板からガラスに変更され、より開放感を味わえるように進化しています。
このように、意外と普及するようになってから日の浅い装備のサンルーフではありますが、時代の流れとともに様々な形状のものが存在しています。
最もスタンダードなものは、初代プレリュードにも採用された横長の長方形の開口部を持つタイプですが、開閉部分も鉄板のものとガラス(もしくは樹脂)のものが存在し、開き方もスライドして広く開くタイプからサンルーフ後方がチルトアップするもの、ガラス自体を脱着するものなど様々で、動作も電動のものもあれば手動のものも存在しています。
なおスライド式のサンルーフの場合、当然ながらスライドした先に格納できるスペースが必要となりますが、ルーフ長の短いスポーツカー(マツダRX-7やホンダCR-Xなど)はそのスペースがないため、ルーフの外側へスライドする“アウタースライド式”が採用されるケースもありました。
ステーションワゴンやミニバンなど、ルーフ長の長い車両では、前後に長方形のサンルーフが備わるツインサンルーフ仕様のものや、大型で長方形に近いものなども登場していました。
そのほか1980年代~90年代のワンボックスカーなどには、ルーフのサイド部分にまで回り込んだパノラマ式のサンルーフも登場すると、この時期は軽自動車からコンパクトカー、商用ワンボックスカーにまでサンルーフの設定がなされるなど、一大ブームとなったのです。
しかしサンルーフは、オプション設定で10万円前後はしてしまう高額な装備であるほか、故障や雨漏りのリスクが増えることなどのネガティブな要素もあり、徐々に需要が縮小。その代わりに登場してきたのが固定式のガラスルーフでした。
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