トヨタが新型「ランドクルーザー」を3年ぶり復活!? 売れる鍵は「ハイブリッド」か 米中に見る新生ランクルとは
新型ランドクルーザー250が世界初公開され、「アメリカに戻ってくる」ことが明かされました。どのような経緯があったのでしょうか。
~ランクル「250」、アメリカの影響は?~
2023年8月2日、日本で新型「ランドクルーザー250」が世界初公開されました。
今回の250では、アメリカで復活することや、様々な市場に投入されること。そして地域によって「プラド」の名が廃止されるなどクルマのスペック以外でも話題となっています。
待望の新型「ランドクルーザー」である「250」が登場しました。
記者発表会場で実車を見て、またトヨタ幹部と意見交換をして「ランクルがついに、真のグローバルカーになった」という感想を持ちました。
背景には、アメリカ市場、そして中国市場の影響が色濃いようです。
会見の中でも示されたように、ランクルは世界170か国で販売されているのだから、まさにグローバルカーと呼ぶにふさわしい存在。
だが、より多くの人にランクルの魅力を伝え、結果としてトヨタの良きビジネスに繋げるためには、自動車市場規模が世界で最も大きな中国市場と、SUV大国であるアメリカ市場での製品競争力を上げる必要があります。
ここで課題となるのは、そもそも「ランクル=SUV」ではないということ。
ヘビーデューティーモデル「70」をSUVと呼ばないというイメージを理解する人は少なくないでしょうが、先代「200」や旧「プラド(150)」は、SUVの仲間として捉えられてきました。
「200」については「300」への進化も含めて、極めて高い悪路走破性を誇る本格四駆としてグローバルで認知されている一方で、大きな市場での需要は限定的です。
例えば、アメリカでは「300」が未導入となっています。
なぜならば、アメリカで「200」の販売最後の年となった2021年の販売実績は3711台に留まり、モデル末期でもアメリカでは販売数が一気に落ちる傾向はないです。
他のトヨタSUVモデルは、フルサイズ「セコイア」が8070台、またミッドサイズではオンロードユース志向「ハイランダー」が26万4128台、またオフロードユース志向「フォーランナー」が14万4696台も売れています。
さらに、「RAV4」にいたっては40万7739台となり、「カムリ」の31万3795台と「カローラ」の24万8993台を凌ぐ勢いです。
こうしたSUV各モデルの販売実績を見る限り、アメリカのトヨタ販売各社がランクル「200」が「アメリカ市場にハマらない」という思いを持つのは当然。
結果、トヨタアメリカ法人は早い段階から「300」をアメリカでは導入しないと判断すると同時に、アメリカでも十分な需要のある「新たなるランクル」を日本に求めてきたと言えます。
そもそも、アメリカを起点にグローバルでのSUVブーム、さらにはセダンやクーペからのSUVシフトが顕著になったのは1990年代後半から2000年代にかけて。
オフロード車っぽいオンロード車が、「タフで仕事ができる男」をイメージさせたり、また様々なレジャーを家族で楽しめる多目的車としてアメリカではミニバンではなくSUVを好むファミリー層が増えていったという経緯がありました。
SUVシフトの中で、1950年代から脈々と技術を積み上げてきたランクルは、多くのアメリカ人にとって「オーバースペック」だったのかもしれません。
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