トヨタが本気で作った「小さな高級車」!?「クラウン」を超えた「センチュリー」品質! 斬新すぎる「丸目ラグジュアリーセダン」が凄かった!

レクサスが2023年6月に世界初公開した新型コンパクトSUV「LBX」は、「小さなボディ」と「高級感」を両立したモデルということで、高い注目を集めています。しかしトヨタは過去にも、コンパクトな高級車というコンセプトで開発したモデルを販売していました。

トヨタが本気で仕掛けた「小さな高級車」とは

 レクサスは2023年6月に、新型コンパクトSUV「LBX」を世界初公開しました。
 
 これまでレクサスには無かった「小さなボディ」と「高級感」を両立したモデルということもあり、高い注目を集めています。
 
 しかしトヨタは過去にも、コンパクトな高級車という近しいコンセプトを持ったモデルを販売していたといいます。一体どのようなクルマなのでしょうか。

志が高かったもののユーザーの拡大にはつながらなかった「プログレ」
志が高かったもののユーザーの拡大にはつながらなかった「プログレ」

 そのクルマは、トヨタが1998年に発売した「プログレ」です。

「小さな高級車」をキャッチコピーに開発されたプログレのボディサイズは、全長4500mm×全幅1700mm×1435-1450mmと、当時の感覚としてもコンパクトな5ナンバーサイズ。

 しかしホイールベースは当時販売されていたトヨタ「クラウン」と同等の2780mmとしたことで、小さいボディでありながらもクラウンに劣らぬ高い居住性と快適な乗り心地を実現しています。

 メルセデス・ベンツ「Cクラス」やBMW「3シリーズ」を想定ライバルに設定したプログレは、高級車としての走りの質にもこだわっており、足まわりは4輪ともダブルウィッシュボーン式のサスペンションを採用。

 搭載するパワーユニットは全車とも滑らかな回転フィールにこだわった「直列6気筒エンジン」となっており、排気量は2.5リッターと3リッターを設定。それぞれ最大出力200馬力と215馬力を発揮し、5ナンバーの車体を余裕を持って走らせることが可能でした。

 また、駆動方式には自然なハンドリングから高級車への採用の多い後輪駆動(FR)を採用し、見えない箇所にも潤沢にコストをかけていることが伝わります。

 このプログレの開発を統括するチーフエンジニアは、トヨタの最高級車「センチュリー」の開発でも手腕を発揮した人物。

 同時期に開発されていた2代目センチュリーの手法をプログレにも惜しみなく注ぎ込んだことで、プログレもトヨタの考える「高級」の真髄を体感できるクルマとなりました。

 プログレの製造品質は高級車の代名詞であるクラウンを上回るレベルのものが投じられ、全グレード全色とも塗装は「5層コート」を採用。静寂性を高めるべく、ボディ各部には制振材と吸音材が贅沢に使用されました。

 内装の贅沢さもプログレの特筆すべき点です。内装パネルやステアリングホイール、シフトノブのみならず、ウインカーレバーやワイパーレバーにまで「本木目」を採用しています。

 当時のトヨタ車で同様に本木目を採用したモデルは、先述したセンチュリーの他は「セルシオ」と「ソアラ」のみで、クラウンやクラウンマジェスタですら「木目調」だったことを考えると、プログレにかけたトヨタの期待と本気度合いの高さに驚かされます。

 また、外装・内装ともにトヨタの「エンブレム」が取り付けられていない点もプログレの特徴で、代わりにプログレの頭文字である「P」を象ったエンブレムが車体やステアリングホイール、キーなどにあしらわれています。

 このようにトヨタエンブレムが一切取り付けられていない車種はプログレの他にはセンチュリーが挙げられ、従来のトヨタ車のヒエラルキーを超越したモデルであることを表しているといいます。

 そのほか、安全・快適機能も当時最先端のものが取り入れられ、レーダークルーズコントロールや本革シート、高性能オーディオなどが設定されるなど、小さな高級車にふさわしい装備を採用。

 このように高級車としての要素をこれでもかと盛り込んだプログレでしたが、落ち着きと品の良さを追求したスタイリングは、高級車を求める大人のユーザーの目にも保守的に映るもので、当時は年配者にしか受け入れられないものでした。

 また、クラウン以上の品質や作り込みを施した結果、プログレはコンパクトなボディでありながら車両価格が約340万円から450万円とクラウンと大差ない高額となり、販売は苦戦。

 内外装を少し若年層向けに変更した兄弟車「ブレビス」などを新たに投入するなど、トヨタは起死回生の策を図りましたが、両車ともに販売台数を大きく伸ばすには至らず、2007年に販売を終了しました。

※ ※ ※

 このプログレを始めとして、トヨタはこれまでも「小さな高級車」というカテゴリを成立させるべく幾多のモデルを投入してきましたが、ボディデザインや車体の小ささに反する高めの車両価格が市場に受け入れられなかったのか、数世代にわたって現在まで販売が続いているモデルはこれまでのところありません。

 しかし、そこには「トヨタ」というブランドの中で展開する難しさも影響していたのは確実でしょう。

 現在では上位ブランドである「レクサス」が広く知れ渡っており、かつての状況とは大きく異なっています。

 2023年秋以降に国内発売が予定されている新型LBXですが、レクサスが新たに提案するこの「小さな高級車」に対し、ユーザーがどのように反応するのか注目です。

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2件のコメント

  1. でも売れなかった・・・
    理由は地味スギのボディデザイン

  2. ほぼWikipediaの内容

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