長距離バスの「謎の小部屋」どうなってる? 実はとても重要な場所だった! 内部はどうなってるのか
外から見ると「謎の小部屋」 内部はどうなっている?
仮眠室の場所はバスにより異なり「車内後部」「車内下部」に大きく分ける事ができます。
「車内後部」は車内から出入りでき「車内下部」では車外のボディ側面から出入りする仕組みです。
なお「車内下部」にある小部屋は「乗務員の仮眠室/乗客の荷物スペース」を併設している仕様と「乗客の荷物スペースのみ」の仕様に分けられ、外観上では小窓が設置されていなければ見分けることは難しいようです。
それでは、実際にバスの仮眠室にはどのような工夫がされているのでしょうか。前出の担当者は次のように話します。
「運転手の眠りの環境を整えるため、厚生労働省のガイドラインに基づき完全に横になれるベッドを設置しています。
また、カーテンについても厚手のカーテンを用いて光が入らないようにしています。
運転している乗務員と連絡できるインターフォンを設置しており、緊急時含め連絡が取れるようになっています」
仮眠室は運転手の快適性を守るためにさまざまな工夫が施されていますが、外部との連絡手段があることが重要です。
過去に運転手が体調不良のため予定を変更して仮眠をとった際に、そのまま6時間半以上寝込んだだけでなく、バスが外側から施錠されていたために乗客が8時間以上軟禁される事件が発生しました。
乗客は警察に通報しましたが、外部から仮眠中の運転者との連絡をとる術がなかったことにより、大きな事件へと発展しました。
このようなこともあり、仮眠室にはインターホンが設置されて、いつでも外部との連絡がとれるような体制になっています。
また運転手の仮眠の際には、旅客自動車運送事業者では必須の「中間点呼」を行なう事業所も増えて、再発防止に努めています。
ほかにも仮眠室には車外からだけでなく、車内からもアクセスできるようになっている車両もあります。
車内から仮眠室へ移動する際は、設置してある専用トイレの階段付近に扉があって自由に行き来できる車両もあります。
※ ※ ※
夜行バスなど、長距離の運行をするうえでバスの「仮眠室」は欠かせません。タイムスケジュール通りにバスが運行されることも大切ですが、最も重要なことは安全面です。
乗客の安全を守るためには、もちろんバスの運転手の体調や健康を守る必要があります。
もし、長距離バスでの移動を考えている人は、そのバスがしっかりとした休憩時間をとっているか確認してみるといいかもしれません。
この仮眠室で寝ているときは、シートベルトを締めることができないと思うが、法律的に問題はないのか知りたい。
比較として、後席をフルフラットにして寝てる人がいる場合、車を運転して良いのかも知りたい。