トヨタ「元祖高級ミニバン」なぜ消滅? 「天才タマゴ」で親しまれた革新ミニバン「エスティマ」 大ブームの後に何があったのか
順調だった「エスティマ」の運命に暗雲が立ちこめた!
しかし、この世代でエスティマの運命に暗雲が立ちこめます。同ブランドのトヨタ内に、より上位となるミニバンが誕生したのです。
それが2002年に発売した初代「アルファード」でした。
2代目エスティマの骨格をベースにしつつ、より大きなボディと豪華で広大な室内空間を誇ったアルファードには、エスティマの丸みを帯びた優しくも見えるフロントマスクとは一線を画す「力強い」デザインが採用され、それが大型ミニバンを求める多くのユーザーの心を射止めることに成功しました。
かくして、トヨタ内のミニバン人気はアルファードとエスティマに分散しましたが、まだこの時点ではエスティマのファンも数多く存在していたことも事実です。
次に起きたエスティマの命運を決める大きな分かれ道が、両モデルのフルモデルチェンジでした。
2006年にエスティマが3代目へ、2008年にアルファードが2代目へと相次いで全面刷新をおこないましたが、アルファードのモデルチェンジと同時に兄弟車となる初代「ヴェルファイア」が誕生。
このクルマはアルファードをベースとしながら、さらに迫力のある「コワモテ」なフロントマスクとなっており、そして多くのユーザーの嗜好とも一致していました。
もちろんこの2台とエスティマの車両価格は異なりますが、逆にリーズナブルなエスティマの販売台数がアルファードとヴェルファイアよりも苦戦するようになり、ユーザーも大型ミニバンの購入時にこのエスティマを除いた2台の中から選択するようになりました。
かつて一時代を築いたエスティマは、日本自動車販売協会連合会が発表する「登録車販売ランキング」において年間のトップ3にランクインしたこともあり、高い人気を集めたエポックメイキングな存在でした。
しかし、2019年上半期においてのエスティマの登録台数は、1か月平均で791台。これはアルファードとヴェルファイアの合計台数に比べると、1割以下となる台数です。
こうした背景もあり、エスティマは2019年10月をもってその役目を終え、モデルチェンジもなく消滅したのでした。
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残念な形で姿を消したエスティマですが、しかし、2019年当時と2023年現在では自動車業界を取り巻く環境は大きく変わっています。
2023年6月に新型へとフルモデルチェンジしたアルファードとヴェルファイアは、大きく車両価格を上げており、それ以外のトヨタのミニバンとなると、ミドルサイズの「ノア/ヴォクシー」と「シエンタ」しかありません。
また、過去にとあるメーカーの開発者の取材をした際、以下のような返答がありました。
「現在の技術でエスティマをフルモデルチェンジすれば、低床設計を生かしてより低重心のミニバンを開発できます。
よりボディは軽くなり、タイヤサイズも(アルファード/ヴェルファイアに比べて)細くできるので、燃費から走行性能まで、機能を向上させたミニバンを開発することは理論的に可能でしょう」
そんな新しいエスティマがもしも現代に登場していたとしたら、ノア/ヴォクシーとアルファード/ヴェルファイアの間に大きく空いた上級ミニバンのポジションにピッタリとハマるのかもしれません。
一番ひどかったのは3代目エステマHVのフロントデザインだよ。あの間が抜けたおちょぼひげのフロントグリル。
初代エスティマは、ワゴン車の概念を根底から変えましたね…
それまでのワゴンは、冠婚葬祭に乗って行くのには、ちょっと引けを感じる部分があったが、エスティマはスーツで乗っても恥ずかしくない雰囲気を持ってました。
宇宙船のようなインパネは、斬新だったな…
初期、後期と2台乗り継ぎましたよ、
初代ヴェルファイアを買うとき最後までエスティマにするか迷いました。装備はヴェルファイアより上だったし。
エスティマを買わなかったのは「センターメーター」が最後までダメだったから。