なんで「ツノ」生えちゃった!? カッコいいのに「ちょい残念」! 1980年代初頭の国産スポーツカーを振り返る
傑作デザインに「違和感」を与えた「ボンネット上のミラー」
●いすゞ「ピアッツァ」(初代・1981年~1991年)
1981年に誕生した「ピアッツァ」は、名デザイナーのジウジアーロ氏が内外装デザインを手がけたいすゞのスペシャリティカーです。
余計なディティールを持たない、シンプルなフラッシュサーフェイスデザインは、現代の視点から見てもモダン。
傑作デザインと言われるのもうなずけます。
そのため、フェンダーミラー(生えている場所は「ボンネット」ですが)は、やはりちょっと似合いませんでした。
そこで、少しでもデザインになじませるようにと、フェンダーミラーにもしっかりデザイン施されていましたが、ピアッツァのプロトタイプ「Asso di fiori(アッソ・ディ・フィオーリ)」がドアミラーだったこともあって、ツノが生えているような違和感は否めませんでした。
1983年に実施されたマイナーチェンジでドアミラーが備わった際には、筆者も「確かにこれぞ正しい姿」と思ったのを覚えています。
●三菱「スタリオン」(1982年~1989年)
「スタリオン」は、三菱のスペシャリティカー「ギャランΛ(ラムダ)/エテルナΛ」の後継車として、1982年にデビューしたスポーツカーです。
長いノーズの先端は強くスラントしてリトラクタブルヘッドライトを装備。直線基調のウェッジシェイプなスタイルはスポーティさに溢れていました。
それだけに、フェンダーミラーが「突起物」感を出ていましたが、こちらも1983年にフェンダーミラーに移行。スッキリとした印象を獲得しました。
●ホンダ「プレリュード」(2代目・1982年~1987年)
リトラクタブルヘッドライトとフェンダーミラーの組み合わせといえば、1982年秋に発売されたホンダのスペシャリティカー、2代目「プレリュード」も忘れてはなりません。
初代よりもひとまわり大きなボディは、大きな窓と低いボンネット、ルーフ、トランクリッドによってシャープさと低車高を強調。
広く快適な車内や十分な性能によって「デートカー」という言葉を生み出し、女性にも好感を持って受け入れられました。
登場時はもちろんフェンダーミラーでしたが、こちらも1983年にドアミラー化しています。
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このほかトヨタ「セリカ」(3代目・1981年~1985年)、日産「パルサー EXA」(初代・1982年~1986年)、日産「レパード」(初代・1980年~1986年)なども、フェンダーミラーからドアミラーへの移行期を経験したスペシャリティカーとなります。
こうして並べてみると、フェンダーミラーだったのはいずれもたった数年のこと。
それでも今なお印象が残っているのは、どのクルマも、デザインや性能、存在感において衝撃的なデビューを飾っており、その一方でフェンダーミラーだった、という違和感があったからではないでしょうか。
しかし面白いことに、1960年代から1970年代の国産スポーツカーでは、一転して「フェンダーミラーのほうがしっくりくる」という意見も聞かれます。
これについてはまた改めて別の機会に取り上げてみたいところです。
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