「カムリ」「マーチ」「CR-V」も… 歴史あるクルマが続々廃止! 人気車と不人気車の格差が生じる訳とは
長く販売され続けたクルマが終売となることが増えています。車種のリストラが各メーカーで進んでいるといえますが、どのような事情があるのでしょうか。
歴史や伝統のあるモデルが相次いで廃止に!? なぜ?
最近は伝統ある車種が、次々と販売を終えています。
トヨタでは「カムリ」や「マークX」、「プレミオ/アリオン」、「エスティマ」など、日産は「マーチ」、「キューブ」、「シーマ」、「フーガ」、「シルフィ」など、人気の高かった車種が廃止されました。
ホンダは車種の廃止と復活が多く、実用的なSUVの先駆けとされた「CR-V」が販売を終えた後に復活し、再び終了する事態に陥っています。「シビック」や「オデッセイ」(今冬発売予定)も一度廃止された後に復活しました。
車種の廃止が相次ぐ背景には、複数の理由があります。まずは売れ筋カテゴリーの変化です。
以前はセダンが中心でしたが、近年では売れ行きが下がり、SUVの人気が上昇しました。SUVの販売比率は、国内で売られる小型/普通乗用車の30%に達しており、海外での販売も好調。新型車も活発に開発されています。
そんなSUVも単純に増やすだけでは車種が供給過剰になります。今の国内市場はクルマの売れ行きが低迷し、伸び悩みの傾向にあるため、車種や販売店舗数を減らしたい思惑があります。
そこで販売効率を上げるため、販売店の統廃合を行うとともにセダンを中心に売れ行きの下がった車種を廃止しているのです。
トヨタは、2020年に国内の販売網を再編して、すべての販売店がトヨタの全車を売る体制にしました。以前は複数の販売チャネルがあり、そのチャネルだけで取り扱う専売車種も存在しましたが、今ではこの区分を取り去っています。
この目的も車種と販売網のリストラです。すべての店舗が全車を扱えば、姉妹車は不要になります。
例えば、コンパクトトールワゴンの姉妹車として「ルーミー」と「タンク」がありましたが、いまではタンクを廃止し、ルーミーに一本化されました。
また販売系列ごとに売るクルマが異なると、販売店は限られた取り扱い車種に力を注ぎますが、全店が全車を扱うと売れ筋が人気車中心になります。高級ミニバンの「アルファード」と「ヴェルファイア」は、先代モデルでアルファードの人気が高まり、逆にヴェルファイアの需要が下がったといったことも、こういった背景があったからです。
このように全店が全車を扱うと、人気車は全店でたくさん売れて販売台数をさらに伸ばし、不人気車は一層落ち込んでリストラすべき車種が明らかになるのです。
同様に、全店が全車を扱えば、ある店舗が閉鎖されても周囲の店舗で補えます。従って全店が全車を扱うと、販売店も効率良くリストラできて、その結果として取り扱い車種が減った事情もあります。
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