クルマがシカやウマを検知? 世界初、ボルボの「大型動物検知」機能ができたワケ(写真15枚)

わざわざ「大型動物」に限ったワケ

 ボルボの「シティセーフティ」における「大型動物検知」機能は、前方にヘラジカなどの大型動物を検知するとまずドライバーに警告し、ドライバーの反応がない場合、自動ブレーキが作動して衝突被害の軽減を図るというものです。この際のブレーキの最大制動力は、通常の最大制動力の30%(0.3G)と設定。このため、クルマの速度が70km/h以上の状況でより効果的とされています。もちろん、夜間の走行時(ライト点灯時)でも作動します。

 クルマだけでなく、すでに人や自転車にも対応している「シティセーフティ」に「大型動物検知」が追加されたのは、ボルボの本拠、スウェーデンにおける重傷者発生事故の要因を反映してのもの。なんと事故全体の5%が大型動物との衝突事故によるものなのです。ボルボは2020年までに、同社の新しいクルマによる交通事故での死亡者・重傷者をゼロにする目標「VISION 2020」を掲げて取り組んでいますが、その実現に大型動物への対策はかかせないというわけです。

 同機能は「警告もしくは被害軽減」とされていますが、これは事故の実態を反映してのもの。大型動物に衝突した場合、背の高さから事故の衝撃でボンネットに乗り上げてしまうことが多く、その際、キャビンを動物が直撃することやボンネット上の動物が暴れることで、前席の乗員が重傷を負うケースがあるそうです。このため、事故時に「大型動物と人を近づけないこと」が大切なのです。

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