“神出鬼没”の「移動式オービス」って何? どこにある? “ネズミ捕り”との違いとは
高速道路や道幅の広い国道などを走っていると目にするのが、速度超過を自動的に取り締まる装置、通称「オービス」です。そんなオービスには、大きく分けて「固定式」「半固定式」「移動式」の3種類があります。中でも近年登場した移動式オービスとは、どのような存在なのでしょうか。直近遭遇した珍しい方式も含め解説します。
移動式オービスって何?
車を運転する上で、交通違反で検挙されることは誰しも避けたいものです。一時停止、信号無視、追越しなどの違反は、少し気をつけるだけで簡単に無くすことができますが、難易度が高いのが速度超過の違反です。

移動オービスのこれまで
単に制限速度を守ればよいという人もいますが、運転を多くする人ほどそれがどれだけ難しいかを知っています。制限速度は道路によって異なるのはもちろん、制限速度が低すぎると感じる場所もあります。
その結果、多くの車が制限速度をオーバーして走行する場所があったり、制限速度が形骸化してしまったりしている面も否定できません。とは言うものの速度超過は重大な事故に直結することも確かです。そこで、警察は様々な方法で速度違反を取り締まっています。
運用開始から4ヶ月が経った8月には、愛知県内の23号バイパスにも設置され、この時初めて、予告標識(看板)を設置せずにおこなわれました。
これ以降、全国的に幹線道路での運用も当たり前になり、2018年10月には都市高速道路初の運用が実施。現在では、毎週のように首都高速に設置されますし、新東名をはじめ全国の高速道路でも運用されています。
ネズミ捕りとオービスの違い
定置型で行われる速度超過の取締りは、大きく分けて通称“ネズミ捕り”と呼ばれる方式と、オービスでの取締りに分かれます。
ネズミ捕りは、光電管やステルスレーダーなどの機器により計測担当の警察官が速度をチェックし、その先で待機している警察官が違反車を停止させ切符処理を行います。
ネズミ捕りは切符処理を行うスペースと通常5人以上の警察官で行うことが多い取締り方法です。
オービスは、速度違反自動取締装置とも呼ばれる機器で、速度計測と撮影と発光の機能をあわせ持っています。
そのオービスの中で、街中でも運用されるのが移動式オービスです。移動式オービスは比較的新しい取締り方法で、まだ実機を目にしたことがないドライバーも多くいると思います。
特徴としては、2名程度の警察官で運用でき、切符処理を行うスペースも不要です。
移動式オービスとは
現在、移動式オービスは3社4種類の機器が存在し、都道府県警ごとに導入機種が分かれています。
どれもコンパクトで三脚に載せて使いますが、色や形が様々です。国内で一番多く運用されているのは、東京航空計器(株)社製のLSM-300と後継機のLSM-310です。形状は縦長の直方体で白色です。
次に多いのがスウェーデンはセンシス社のMSSSです。形状は大福を半分に切ったような形で黒っぽい色をしています。ストロボと本体を別々の三脚にセットするセパレートタイプです。
そして今年登場したのが、日本無線(株)社製のモデルです。形状は横長の直方体で白色です。
これらの移動式オービスは、通学路や生活道路などの狭い場所から、幹線道路や高速道路まで様々な場所で運用されています。
違反した運転手の元には、後日警察からの呼出状が郵送されてくる仕組みです。


















