夏の車内は危険? 暑い日&長距離移動では高齢者や肥満、妊婦は要注意! 「エコノミークラス症候群」の対策方法とは
暑い日が続く中でクルマでの長距離移動時には「エコノミークラス症候群」に注意が必要です。ではどのような部分に気をつければいいのでしょうか。
夏の車内では脱水症状から「夏血栓」を引き起こすことも
夏の運転では熱中症に注意が必要ですが、他にも気をつけなければならないことがあります。
とくに猛暑日には車内でも脱水症状が起こりやすく、身体にとってもさまざまな影響を及ぼします。

2023年の夏はエルニーニョ現象の発生が高く、平年と比べても暑くなることが予想されています。
猛暑の車内は屋外よりも高温になる可能性もあるため、いつも以上に体調管理が欠かせません。
とくに注意しなければならないのは、大量の発汗から引き起こされる夏血栓です。
夏血栓とは夏に起こる血栓症の一種で、大量の発汗で血液濃度が高くなることで血栓ができやすくなる症状を指します。
軽い症状であれば、めまいや倦怠感などの熱中症に似た症状になりますが、重い症状になると胸の痛みや手足のしびれなど、ときには命に係わる事態にまで発展するようです。
さらに油断できないのは、静脈にできた血栓が引き起こす「エコノミークラス症候群」です。
厚生労働省はエコノミークラス症候群について「食事や水分を十分に取らない状態で、車などの狭い座席に長時間座っていて足を動かさないと、血行不良が起こり血液が固まりやすくなります。その結果、血の固まり(血栓)が血管の中を流れ、肺に詰まって肺塞栓などを誘発する恐れがあります」と説明しています。
具体的には、長時間にわたり同じ姿勢で座っていると、とくに脚の部分の静脈に血行不良が生じて血栓ができやすくなります。
症状は片方の膝から下の脚に、発赤、腫脹、痛み等の症状が出現。このような症状が発生したら急いで医療機関を受診する必要があります。
なお足にできた血栓が肺に詰まると、胸痛、呼吸困難、失神等の症状が出現し、危険な状態
になるようです。
さらに厚生労働省によれば、エコノミークラス症候群になりやすい人は主に高齢者、肥満体型の人、妊婦などが挙げられとくに高齢者は注意が必要です。

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もともとエコノミークラス症候群は名前の通り、旅客機のエコノミークラスのような狭い空間で長時間同じ姿勢を維持すると発生しやすくなることからその名が付きました。
しかし近年ではエコノミークラスに限らず、ビジネスクラスやファーストクラスはもちろん、クルマの運転中でも起きる症状として注意喚起されています。
長距離の移動では、渋滞に巻き込まれるケースもあるため、車内で座ったままの状態になり血流が悪くなります。
また身体を動かさないことにより水分補給がおろそかになりがちです。
これからまだ暑い時期が続きますが、クルマの運転中にエコノミークラス症候群を予防するにはどうすればいいのでしょうか。