日本最長の国道は「東京~青森の4号」ではない? 島国ならではの「海の道」海上国道はどこにある?

日本で一番長い国道は東京と青森を結ぶ4号ですが、海上区間を含めると58号になります。この「海上国道」はほかにどのような路線があるのでしょうか。

「海上県道」も存在

 日本の国道の中で最も長いのは東京都中央区と青森県青森市を結ぶ4号で、その総延長は742.5kmに及びます。しかし、その国道4号よりもさらに長い距離を結ぶ「海上国道」が存在します。どのような“道”なのでしょうか。

総延長879.9kmで日本一長い国道58号は海上区間が609.5kmを占めている
総延長879.9kmで日本一長い国道58号は海上区間が609.5kmを占めている

 日本には現在、507号までの国道が存在しますが、その中で距離が最も長いのは、鹿児島県鹿児島市と沖縄県那覇市を結ぶ国道58号です。

 その総延長は879.6kmにおよびますが、実際に陸上を通っているのは3割にあたる270.1kmで、残り7割は海上区間です。

 島国の日本には、このような海上国道が多く存在します。

 例えば青森県と北海道を隔てる津軽海峡には、国道279号・280号・338号が(名目上ですが)通っています。

 このうち279号・338号は重複しており、青森県の大間港と北海道の函館港の間を津軽海峡フェリーで渡ることが可能です。

「東京環状」の通称で知られる国道16号は、起点と終点がどちらも神奈川県横浜市であり、名前通りの環状ですが、東京湾口の富津港(千葉県)から走水港(神奈川県)までは、道路で結ばれていません。

 この海上区間には東京湾口道路の構想がありますが、東京湾アクアライン(国道409号、川崎~木更津)や東京湾フェリー(金谷~久里浜)がすでにあることから、実現性は低いとみられています。

 本州と四国を結ぶ海上国道には、28号(明石~淡路~徳島)、30号(宇野~高松)、317号(今治~尾道)などが挙げられます。一部は橋が架かりクルマでも渡れますが、航路が残っている区間もあります。

 このように日本にある海上国道は延べ29路線です。

 変わり種として、静岡県には「海上県道」もあります。県道223号清水港土肥線は、静岡市清水区の清水港と伊豆市土肥を結ぶ駿河湾フェリーが県道扱いになっており、「223(ふじさん)」という名前のとおり、フェリーからは富士山の絶景を楽しめます。

 このように道路が海に向かって突然途切れて、対岸にその続きがある場合は、海上国道・県道の可能性があります。

 海上国道は全国で延べ29路線、海上県道(水上県道)は6路線が存在。そして路線によっては橋やトンネル、フェリーや渡船で結ばれている箇所もあるため、旅行やドライブの楽しみの一つに加えてみるのも良いかもしれません。

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