「クマだ…」なぜ最近“クマ出没”多い? 車で遭遇したら「バックはダメ」はウソ!? 生態に詳しい担当者に“正しい対処法”を聞いた

突然「クマに遭遇!」どうしたらいい??

 まずクルマを運転中にクマに遭遇した場合の対処法について、前出の担当者は以下のように話します。

「ヒグマがクルマに驚いて威嚇することがありますが、クルマの中にいる限りは安全です。

 冷静にその場から離れてください。クラクションでヒグマを興奮させるのは危険です。

 また一部で『バックで逃げてはいけない』という情報が出回っているようにも聞きますが、根拠はありません」

 では歩行者が道を歩いていてクマに遭遇してしまった場合はどう対処したら良いのでしょうか。

道で熊に遭遇したら、どうしたらいいのだろうか
道で熊に遭遇したら、どうしたらいいのだろうか

「もしヒグマに会ってしまったら目を離さず静かに距離を空けてください。通常は、ヒグマも落ち着いて距離を空けてくれるはずです。

 大声を上げて逃げ出すと、ヒグマを興奮させてしまいかえって危険です。

 登山や釣りなどでヒグマの生息地に入るときには、万が一のため、クマ撃退スプレーを携行することをお勧めします。襲われたときには非常に有効です」

 このほか、クマに遭遇した際に未然に事故を防ぐために気をつけたほうが良いことについて、担当者は以下のように説明します。

「ヒグマによる人身事故で一番多いのは、山菜採りの人などとの不意の遭遇に驚いたヒグマが、自分を守ろうと攻撃してくる状況です。

 事故を未然に防ぐために、見通しの悪い森の中では、笛を吹いたり鈴を鳴らしたり、複数人で話しをしながら歩くなどして、人の存在をクマに知らせることが大切です。

 子グマを見かけても絶対に近寄らないでください。母親が子どもを守ろうとして攻撃してきます。

 また食べ物や生ゴミは必ず持ち帰ってください。味を覚えたヒグマが人に接近し、最悪の場合食べ物を奪おうとして攻撃してくるおそれがあります。

 知床半島では、車道脇を平気で歩くヒグマを見かけます。

 こうした中には観光客から餌を与えられた経験を持ったヒグマがクルマに近寄ってくるかも知れません。警戒心の無いヒグマほど危険なので、決して車から降りてはいけません」

※ ※ ※

 最近では北海道に限らず全国各地でクマ出没のニュースが相次いでおり、特にクルマを運転している際は突然クマが道路に飛び出すケースも考えられます。

 今回のケースはあくまで北海道のヒグマのケースでしたが、本州に住んでいてクマに遭遇した際も上記の点に注意するのが良いでしょう。

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