なぜトヨタは水素エンジンに注力? 各社も研究は進めるが… 再び注目される水素にトライした訳
海外でも水素エンジンをアピール! ル・マン24時間ではどうだった?
そんな水素エンジンは海外へのアピールも行ってきています、
ひとつは2022年8月のWRCベルギーでデモラン(この時はGRヤリスの開発車両)、そして同年12月に行なわれたタイ25時時間耐久レースへの参戦です。
そして2023年、再びその機会がやってきました。そのステージはル・マン24時間です。
ル・マン24時間では決勝前にはさまざまなイベントが行なわれますが、その中のひとつである「ミッションH2(安全で効率的なエネルギーとしての水素の導入を推進活動)」のデモランで水素GRカローラが走行を行ないました。
マシンはS耐とタイ25時間レースを走っていた水素GRカローラ(気体水素のマシン)でカラーリングはタイのレースに出た仕様のままです。
ドライバーは「水素=危険」から「水素=安全」へとイメージを変えた張本人モリゾウ選手(豊田章男氏)です。
デモランと言ってもパレードのような走行ではなくレーシングスピード。
そのため、モリゾウ選手は2日間に渡りトヨタのチームホスピの2階にあるシミュレーターを用いて特訓。
最初はコースを覚えるのに精いっぱいでしたが、その後の特訓で小林可夢偉選手から「これならバッチリです」とお墨付きを受けるほど上達したそうです。
デモランは僅か1周でしたが、見ている限りはいいペースで走行していたようで、コースサイドの観客も興味津々で注目度は高く感じました。
実はこのデモランはACOがグリーンGTと共同開発するFCEVのプロトタイプマシン「LMPH2G」も走行したのですが、このマシンとの最大の違いは「音」。
LMPH2Gはモーター走行のため音がしない(ロードノイズなどは聞こえる)ため、マシンの発進・接近・通過が解りにくいです。
それに対して、水素GRカローラは控えめな音量(S耐仕様なので)ながら乾いた心地よいサウンドがル・マンのコースサイドまで響き、その存在が誰でもわかります。
トヨタより前にマツダが水素ロータリーエンジンに力を入れてたが、追随して欲しい。