人気のトヨタ「RAV4」何がウケてる? 秘密は“愛車感”高める“カスタマイズ性”か
1994年に画期的なクロスオーバーSUVとして誕生したトヨタ「RAV4」。3代目が2016年に販売終了となると、4代目は日本で展開されませんでしたが、2018年に登場した5代目で復帰、人気を博しました。今回はそんなRAV4の魅力に迫ります。
人気のSUVトヨタ「RAV4」の魅力とは
筆者(九島辰也)は、トヨタ「RAV4 アドベンチャー」を3年間乗った。アメリカ仕様の逆輸入車である。日本仕様とは異なりエンジンは2.5リッターに排気量アップしている。
それとギアボックスも別、こちらは1速ギアを組み合わせたCVTだが、あちらはトルコン式を採用しているのだ。よってパワーもドライブフィールも違うといっていいだろう。当然ハンドル位置も左だ。
そもそも5代目となる現行型は、4代目同様日本での販売予定はなかった。ターゲットは確実に北米マーケットで、そこでのヒットを目標に開発されたのだ。そのためアウトドア色の濃いデザインが採用されている。彼の地でのトレンドがシティ派からアウトドア系にスイッチしていたのと関係するようだ。
また、フロントマスクに代表されるデザイン面では、米国トヨタのラインナップとの整合性が必要とされた。兄貴分にあたる「ハイランダー」や「セコイア」、「4ランナー」といった面々だ。
もちろん、「タコマ」や「タンドラ」といったピックアップトラック群とも通じる。アメリカではSUVとトラックのマスクを合わせることでトヨタブランドのアイデンティティを高める戦略を立てている。
そんな新型の開発が終了し社内での内覧会が行われると、トヨタの国内営業部門が興味を持った。「これなら日本でも人気になるかも」と考えたわけだ。特に、5代目RAV4を象徴するアドベンチャーグレードのオーセンティックな装いが、日本人にも受け入れられると解釈したのだろう。
ということで、急遽国内販売が決定。開発陣は慌てて日本仕様の製作に取り掛かった。ハンドル位置を右へ移し、パワートレインを排ガス規制に合わせて載せ替えた。
オーストラリアやニュージーランド、シンガポールなど右ハンドル圏での販売が行われたのもそんな背景が関係しているのだろう。どうせ右ハンドル仕様を作るのであれば、多くのマーケットで売った方がコストは分散される。
そして現行型となる5代目が2019年に国内販売を開始した。アメリカに遅れること半年でたどり着いたわけだ。開発、生産部門共に大変な苦労だったと思う。
個人的にこのクルマを最初に目にしたのは国内メディア向け試乗会のタイミングで、「へぇ〜、かっこいいじゃん」てな感じだった。アドベンチャーマスクはシンプルかつワイルドだし、何よりUSトヨタに通じているのが好感触だった。
現行型RAV4の魅力はそのワイルドさだが、カスタムのベース車両にうってつけと思った。車高を上げ、ファットなオフロードタイヤを履くだけでもさらにカッコ良くなるのが想像できる。
発売からしばらくして、RAV4アドベンチャーにオフロードパッケージが出たのは、そんな会話を当時のチーフエンジニアとたくさんしたからだろう。トヨタとしてはかなり斬新なアイデアだ。特別仕様車というよりも「カスタムの見本としてどうぞ」というニュアンスを感じる。
つまり、アフターマーケットとなるサードパーティの方々とも共存して行こうという考えだ。
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