スバルの主力「インプレッサ」なぜ“立場”が逆転? 派生SUVが先に登場し、セダンが廃止された事情とは
スバルの主力モデル「インプレッサ」は、フルモデルチェンジで5ドアハッチバックのみとなり、SUVの「クロストレック」が先に発売されるなど、これまでとは登場の順番が変わりました。どのような事情があったのでしょうか。
なぜSUVの新型「クロストレック」が先に全面刷新した?
クルマ好きのユーザーから支持されているスバルは、2022年から2023年にかけて、新型車を活発に発売しました。
なかでも主力SUVの「XV」は海外名の「クロストレック」に統一され、2022年12月に価格を発表。さらに、2023年4月には新型インプレッサも同様に価格を明らかにし、2023年6月現在、両車とも販売中です。
クロストレックは、XVの車名で販売されていたときもそうですが、インプレッサをベースに開発されたSUVです。その関係は、新型にフルモデルチェンジした今でも違いはありません。
インプレッサをベースに外観をSUVに変更したクロストレックは、最低地上高も200mmに拡大するなど悪路走破力を強化しています。
ただし新型クロストレックとインプレッサは、これまでとは異なり、発売される順序が変わりました。
先代モデルは2016年10月にインプレッサが発表され、XVは半年後の2017年4月でしたが、新型はクロストレックが先でその後インプレッサが登場しています。
XVやクロストレックがインプレッサの派生車種であることを考えると、まずはベース車のインプレッサが先に登場した先代モデルのほうが自然な流れといえるでしょう。
また先代インプレッサは、「G4」の車名で4ドアセダンも設定しましたが、新型では廃止され、5ドアハッチバックのみです。
発売される順序が逆になったり、セダンのインプレッサG4を廃止した理由は、売れ行きにあります。
先代インプレッサシリーズにラインナップされていた、インプレッサスポーツ(5ドアハッチバック)、インプレッサG4(セダン)、XVの2021年の販売比率を見てみると、XVが59%、インプレッサスポーツが34%、インプレッサG4が7%と、売れ行きはXVが圧倒的に多いのです。
新型ではこの売れ行きを素直に反映させ、XVの後継となる新型クロストレックを先に発売した後に5ドアハッチバックのインプレッサを投入しました。そして販売比率が少なかったセダンのインプレッサG4が廃止されたという訳です。
ちなみに、今はセダンの販売比率が全般的に下がっており、例えばトヨタ「カローラシリーズ」の2022年の販売状況を見ると、2019年に発売された3ナンバーサイズの「カローラセダン」が占める割合は7%で、先代から継続生産される5ナンバーセダンの「カローラアクシオ」も同程度です。
そして、カローラシリーズの売れ筋は45%を占めるSUVの「カローラクロス」で、これに続くのが21%となるワゴンの「カローラツーリング」です。
現在はSUVの販売が好調で、セダンの売れ行きが大幅に下がっているのはインプレッサ&クロストレックに限った話ではなく、市場全体の傾向といえます。
コメント
本コメント欄は、記事に対して個々人の意見や考えを述べたり、ユーザー同士での健全な意見交換を目的としております。マナーや法令・プライバシーに配慮をしコメントするようにお願いいたします。 なお、不適切な内容や表現であると判断した投稿は削除する場合がございます。