クルマの「一発免許」、初心者には到底オススメできないワケ
自動車教習所にも種類がある
ひと口に「自動車教習所」と言っても、実は種類があります。前述の、卒業認定をもって技能試験が免除される自動車教習所は、一般に「公認自動車教習所」、道路交通法上では「指定自動車教習所」と呼ばれます。それ以外はすべて、一般に「非公認自動車教習所」と称されるものです。
また非公認自動車教習所にも種類があり、「届出自動車教習所」、「特定届出自動車教習所」、そしてそれ以外の教習所とに分類されますが、いずれも普免取得の際は、運転免許試験場にて技能試験を受ける必要がある点は変わりません。
前出のフジドライビングスクールも、そうした非公認の教習所に分類されます。同校は運転免許試験場での技能試験に向けた教習を1回単位で行っており、自らを「運転免許を失効や取り消しなどで再取得される方、また外国免許の切り替え試験を受験される方を対象」とした「非公認自動車教習所」と説明しています。つまり前述のような、過去に普免を持っていて、かつどうしても技能試験に合格できない場合の、受け皿的な役割も果たしているといえるでしょう。
では、まったくの初心者が同校で教習を受け、「一発免許」に合格できるものなのでしょうか。同校の田中さんは「可能性はなくはないですが、おすすめはできません」と断言します。
「大学受験でいえば予備校のようなもので、運転免許試験場での技能試験に合格できるテクニックやコツはお教えできますが、学科であったり、路上の一般常識といった部分をお教えする時間がないからです。ですから学生さんなど初めて運転免許を取ろうとする人は、最初は公認の教習所に通い、交通全体の教育を受けていただきたいと思います」
ここまで主に「技能試験」について述べてきましたが、当然ながら、普免を取得するには運転免許試験場で学科試験にも合格する必要があります(すでに二輪免許、大型特殊免許を所持しているなど、免除される場合もあります)。加えて田中さんもいうように、路上には、試験に出なくとも知っておくべきことがあります。
「多少高くとも、『公認』に通う価値はある」と、「非公認」の田中さんも話します。やはり最初はお金がかかったとしても、指定自動車教習所などを検討したほうがよさそうです。
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提供:乗りものニュース