クルマの「ハンドル」交換する人なぜ減った? かつての“定番カスタム”が現代では難しくなった訳
ステアリング交換はメリットよりデメリットのほうが多い!?
エアバッグ搭載が一般化される前のクルマでよく見られたステアリング交換ですが、メリット・デメリットには何があるのでしょうか。
「まず考えられるのは、デザインが違うことによるドレスアップ効果があります。
また純正のステアリングの外径や太さから、より自分好みに合わせたものに交換することで、ハンドリングのレスポンスの向上が見込まれます。
一般的にステアリングの外径が小さくなるほどに、クイックな操作性を体感できます」(T整備士)
ただし、大きなメリットはデザイン面くらいで、あとはデメリットといいますか、弊害や障害が多いといいます。
「まずは、エアバッグの問題です。同じ車種のグレード違いによる純正ステアリングの交換ならまだしも、社外品に交換するとエアバッグが使えなくなる可能性が高いとされています。
エアバッグが作動しないようにバッテリーを外す必要があり、そうなると各種センサーもキャリブレーション(初期化)されてしまいますし、インジケーター(警告灯)が消えなくなる症状もあります。そうなると車検に通らなくなる可能性も考えられます」(T整備士)
「もうひとつの弊害が任意保険です。エアバッグ有りで契約している場合、変更手続きも必要ですし、エアバッグ無しになれば保険料も高くなります。
そのほかステアリングに付いていたAV機器操作やハンズフリー機能なども使えなくなります」(T整備士)
ここまで話を聞いた限り、現代のクルマではステアリングを交換するメリットよりもデメリットのほうが多いことは明白です。
では、エアバッグ付きの純正ステアリングが劣化してしまった古いクルマなどはどう対処すべきなのでしょうか。
「好みの問題もありますが、今は握り心地の良いハンドルカバーがたくさん販売されています。
純正機能を犠牲にすることなく手軽に装着でき、高級感やスポーティなイメージを演出できるメリットもあります。
純正ステアリングを交換する前に、好みのハンドルカバーを探してみるのも良いかもしれません」(T整備士)
※ ※ ※
エアバッグをはじめ、さまざまな機能を盛り込んだ純正ステアリングを交換するメリットが現在ではだいぶ少なくなってしまったようです。
その代わりとも言えるハンドルカバーですが、以前は「滑る・太すぎ・操作しにくい」というものも多かったのですが、最近では部分的にカバーするタイプや、外径こそ変わらないものの、握りやすさを考慮したデザインで操作性が向上したものなども登場しています。
何より、自分で手軽に装着できるのも魅力的。ステアリング交換が難しくなった今、ハンドルカバーでイメチェンを図るのも良さそうです。
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