道路の「オレンジ色の反射板」なぜ設置? 「羽根付き」の意味は? 知られざる「デリネーター」の役割とは
道路にはオレンジ色の反射板が設置されていますが、何のためにあるのでしょうか。
視界に自然と入る「オレンジ色の反射板」ってなに?
道路の路肩にはしばしば、オレンジ色の反射板が設置されています。時々、羽根のようなものが付いている反射板もありますが、どのような目的で設置されているのでしょうか。
このオレンジ色の反射板は正式名称を「視線誘導標(デリネーター)」と言います。
視線誘導標は中央分離帯やカーブのある道路の外側などに設置されており、高速道路などではよく見かけます。
その役割について、視線誘導標を製作しているメーカー担当者は以下のように説明します。
「(夜間などにおいて)車道の脇に設置することで道路の幅や形などを分かりやすくし、運転者の視線誘導を行うためのものです」
夜間の走行時はヘッドライト(前照灯)を点灯させますが、このヘッドライトのみで照らせる範囲は狭く、どうしても見えにくい部分が生じます。
この状態で走行すると、道路の形や幅が十分に把握できず、事故につながることもあります。
実際に照明の少ない夜間の高速道路を走り続ける時に、近づいてくるカーブが右に曲がっているのか、あるいは左なのか、わからなくなってくるといった意見もあるようです。
視線誘導標はその名称の通り、ドライバーの視線を誘導することによって道の状況を判断できる手助けとなり、より安全に走行できるようにしているのです。
そんな視線誘導標のなかには、何やら「風車」のような羽根を装備するものがあります。
近くをクルマが通過する際は羽根が回転しますが、これは一体どのような役割を持つのでしょうか。
先出の担当者は「反射部分の汚れを掻きとるために羽根を設置している」と言います。
実はこの羽根の内側にはゴムのワイパー(ブラシ)のようなものが装着されています。
通過するクルマなどから風を受けて回転すると、羽根のゴムワイパーが反射板の表面を滑り、汚れを取り除く仕組みになっているのです。
特にトンネル内などでは、排気ガスなどの影響で徐々に反射板の部分が汚れます。そのままの状態だと反射機能が十分に発揮されず、視線を誘導するという機能が失われてしまします。
そのため、こうした羽根付きのタイプを設置することで、交通量の多い道路であっても視線誘導標の機能を維持しているのです。
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何気なく見かける丸いオレンジの反射板は、視線誘導標として夜間の走行をサポートするためのものです。
意識せずとも自然と視界に入ってくることで、その目的を果たしており、安全運転には欠かせない重要な設備だといえます。
ちなみに高速道路では、視線誘導標は50mごと(カーブを除く)に設置されているため、車間距離を測定する方法としても活用できるとされており、昼間でも役に立つ設備なのです。
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