本当に怖い「ハイドロプレーニング現象」なぜ起きる? 制御不能時にどう対応? 溝が減ったタイヤは要注意な訳
ハイドロプレーニング現象はタイヤの状態も関係してる?
重大な事故に発展することもあるハイドロプレーニング現象ですが、タイヤの状態も関係するのでしょうか。大手タイヤメーカーであるブリヂストン広報部の担当者は次のように話します。
「ハイドロプレーニング現象は、水深・速度・溝の深さに影響をうけます。タイヤに関しては、溝が浅くなると、路面とタイヤの間にある水を掻き出す量が減るため、浮きやすくなります。
一般的に溝の深さが4mmを切ると急激に浮きやすくなり、制動距離が増すといわれています。そのため、溝の深さが4mmを下回っているとハイドロプレーニング現象を引き起こす危険性も高まります」

新品のタイヤの溝は約8mmですが、半分以下になると排水力とグリップ力が著しく低下するので、劣化したタイヤは交換することが望ましいです。
溝をチェックする際には、同時にヒビ割れのチェックと適正な空気圧の確認も行なうとより安心でしょう。
また、雨の日で濡れた路面を走行する際はハイドロプレーニング現象のほかにもスリップなどのリスクがありますが、最近のタイヤには何か対策が施してあるのでしょうか。前出のブリヂストン担当者は次のように話します。
「雨天時にスリップしないようにするためには、タイヤの排水性と濡れた路面でのグリップ性能が重要になります。
これらの性能でブリヂストンが開発時に工夫している点として、排水性は、『ULTIMAT EYE』というシミュレート&計測技術を用いて、水の流れを再現しながら最適なパターンを設計しています。
ウェットグリップは、『ナノプロテック』という技術を用いて、ゴムの構造をナノレベル(10億分の1)でコントロールしながら開発しています。
この技術を用いて作られたものを実車試験で確認し、社内基準を満たすレベルのものが実際の商品として、市販されています」
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近年では、水の溜まりにくい透水性の高いアスファルト舗装が高速道路を中心に採用されていますが、ゲリラ豪雨などでは急激に水位が増すこともあり、ハイドロプレーニング現象による事故が発生することも少なくありません。
路面状況が悪い状態で走行するときは、急な操作にも対応しやすいスピードを抑えた運転が重要だといえます。
Writer: Peacock Blue K.K.
東京・渋谷を拠点とするオンライン・ニュース・エージェンシー。インターネット・ユーザーの興味関心をひくライトな記事を中心に、独自の取材ネットワークを活用した新車スクープ記事、ビジネスコラム、海外現地取材記事など、年間約5000本のコンテンツを配信中。2017年創業。


















