全長4m級の「9人乗り仕様」があった!? 昭和感ヤバい…「完全車中泊」仕様も! 三菱「ド派手ミニバン」とは
5代目「D:5」のあとに登場した「D:2」や「D:3」!?
●5代目デリカ「デリカD:5」
現行モデルとなる5代目デリカは、新たに車名を「デリカD:5(ディーファイブ)」に改めて2007年1月に登場。プラットフォームはモノコックボディとなりましたが、オフロード走行も考慮してリブボーンフレームと大型クロスメンバーを装着することでボディ剛性を大幅に強化していました。
4WDシステムもパジェロのものとは異なり、SUVの「アウトランダー」などにも採用された電子制御4WDシステムを採用し、ダイヤル式のセレクターによって走行中でも簡単に変更できるようになっています。
デビュー当初は2.4リッターのガソリンエンジンに4WDの組み合わせのみでしたが、登場からおよそ4か月後に2リッターエンジンを搭載した2WD仕様を追加。さらに2012年12月には従来型のファンの声に応える形で、2.3リッタークリーンディーゼルターボエンジンを搭載したモデルを追加しています。
2019年2月には三菱の共通フロントデザイン「ダイナミックシールド」を採用するなど、大規模なマイナーチェンジを実施(ディーゼルモデルのみ)。先進運転支援機能や大画面のナビゲーションシステムを設定するなど、ほぼフルモデルチェンジ同等の近代化に対応しています。
エンジンも型式こそ変わらないものの、構成部品の半数を一新し、尿素SCRシステムを採用するなど、こちらも近代化がなされていました。
なお、車名のD:5は、当初デリカの5世代目を表していると言われていましたが、後にデリカの名前を冠した他車種が登場したことで、車格も合わせて表していると改められています。
●番外編 その1「デリカD:2」
デリカミニが登場するまでは、デリカの名前を冠する車両の中で最もコンパクトなボディを持っていたのが「デリカD:2」でした。
ただデリカの名前を冠してはいるものの、実はスズキ「ソリオ」のOEMモデルとなっており、本家のように高いオフロード性能を持ち合わせている、というワケではありません。
現在販売中のモデルは早くも3世代目となっており、初代にデリカD:5(前期型)を彷彿とさせるフロントグリルがオプション設定されていたほかは、ほぼソリオと同一となっており、エンブレム程度の違いしかありませんが、使い勝手の良さから安定した人気を誇っている1台となっています。
●番外編 その2「デリカD:3/デリカバン」
現在はラインナップから姿を消していますが、1.6リッターエンジンを搭載したワゴンモデルの「デリカD:3」という車種も存在していました。
こちらもD:2と同じくOEM供給を受けて販売されていたモデルで、ベースは日産「NV200バネット」のワゴンモデル。2列シートの5人乗りと3列シートの7人乗りが用意されており、フロントマスク(バンパー&グリル)は専用のものが用意されていました。
またNV200バネットのバンモデルをベースとした商用車の「デリカバン」も併売されていましたが、どちらも2019年4月で終売となりました。
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今回はデリカのワゴンモデルと派生車種について振り返ってみましたが、デリカミニの人気によって再び再注目された本家デリカ(デリカD:5)も、デビューから16年が経過しており、フルモデルチェンジはどうなるのか、また派生車種がさらに登場するのかについて、気になるところですね。
Writer: 小鮒康一
1979年5月22日生まれ、群馬県出身。某大手自動車関連企業を退社後になりゆきでフリーランスライターに転向という異色の経歴の持ち主。中古車販売店に勤務していた経験も活かし、国産旧車を中心にマニアックな視点での記事を得意とする。現行車へのチェックも欠かさず活動中。
三菱もいい加減に研究開発費ではなく、デザイン料に投資した方が回収効率が高いことに気付けよ。