深夜の新東名を「自動運転トラック」が走行!? 24年度に専用レーン登場へ!「物流問題」解決なるか?

2024年に、新東名高速道路で自動運転車専用のレーンが設置されることになります。深夜の大型トラックを想定したレーンだといいますが、どのようなものなのでしょうか。

かつての「隊列走行」とは異なる「自動運転レーン」

 新東名高速道路で、2024年度に自動運転車用レーンが誕生することになりました。いったいどんなクルマが走るのでしょうか。
 
 まず場所ですが、新東名高速道路の駿河湾沼津SAから浜松SAの約100kmで、国は深夜時間帯での実証実験を検討しています。

新東名で自動運転レベル4のトラックが走る(イメージ)
新東名で自動運転レベル4のトラックが走る(イメージ)

 走行するのは、自動運転レベル4を想定した大型トラックです。

 そう聞くと「また、あの隊列走行の実証試験が再開されるのか?」と思う人がいるかもしれませんが、今回の話はそうではありません。

 隊列走行とは、その名の通り、大型トラックが隊列を組んで自動運転するものです。国の研究機関では2016年から実験施設内で研究開発を始め、2021年2月には新東名高速道路の一部区間で実車3台を使った実証実験をおこなっていました。

 実は、その実証実験の結果、大きな課題が見つかったといいます。それは、隊列の間にほかのクルマが割り込んだときに、システムがうまく対応できない場合があったということです。

 自動運転隊列走行では、先頭のトラックの運転席にドライバーがいる有人で、また後続の2台のトラックは無人の状態で、いわゆる「電子けん引」をしたように走るのが特徴です。

 車間距離は5mから10m以内に制御され、そのためにステレオカメラ、ミリ波レーダー、またレーザーを使って物体検知をするライダーなど複数のセンサーに加えて、760MHz/4G-LTE/光通信などで車車間通信をおこなうなど、現在の技術で考えられる多様な方法を駆使しても、隊列に割り込みが発生した場合には安全で安定した運行をおこなうことが難しいということでしょう。

 これは日本だけが抱えている課題ではないようです。アメリカや欧州でおこなわれてきた自動運転隊列走行の実証実験でもさまざまな課題が出てきたため、日本を含めて欧米でも「まずは自動運転レベル4で単独走行」の実現を目指し、その応用編として自動運転隊列走行を検討するという流れになってきました。

※ ※ ※

 国が現在実用化を目指しているレベル4トラックは、2021年度に仕様の検討を開始。翌2022年度には、テストコース内での走行や関東圏から中京圏の実際の高速道路で基礎データ収集のために手動運転を実施しています。

 そして2023年度には実際の高速道路単において、レベル4の機能を有するトラックを使用したレベル2の単独走行を始め、2024年度には新東名高速道路で自動運転車用レーンを設けてレベル4での走行を実現させたいとしています。

 日本では2025年度以降に、自動運転レベル4での隊列走行の実現を目指しています。

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