ついにトヨタ新型「クラウンスポーツ」今秋発売! 「デザイン&走り」に期待する声多いが… 新提案「スポーツ」が意味する狙いとは
「電動化」によってアップデートされる「スポーツ」の意味
一方、近年のトレンドとなっている「電動化」によって「スポーツ」の意味にもやや変化が生まれています。
そもそも、従来のスポーツモデルが実用性や快適性を犠牲にしてきたのは、エンジンの存在があります。
スポーティな走りを実現するためには、重心をできるだけ低く、そして車体の中心に置くことが重要とされています。
ミッドシップやフロントミッドシップのスポーツカーはそうした考えに基づいていますが、それと引き換えにキャビンスペースは最小限となってしまいます。
ある程度の実用性を担保しようとすると、フロントにエンジンを置いて後輪を駆動するFRレイアウトを採用することになりますが、重量物が前方に偏るため、前後重量配分の均等化に苦労することになります。
しかし、電動化の時代ではエンジンはよりコンパクトなものとなったり、そもそも搭載されなかったりします。
その代わりにバッテリーが大きな重量を占めることになりますが、バッテリーはエンジンに比べて柔軟に配置を変更できるため、低重心や前後重量配分の均等化を実現しやすいというメリットがあります。
バッテリーの配置によって重心がある程度低く抑えられるのであれば、全高や最低地上高が極端に低くなくてもスポーティな走りが得られることになります。
つまり、必要十分な実用性や快適性を担保したうえで「スポーツ」の名に恥じない走りも両立させることができるというわけです。
このように考えると、電動化時代のクルマにおける「スポーツ」とは、必ずしも実用性や快適性を損なうことを意味しないことがわかります。
もちろん、クラウンはあくまでもトヨタのプレミアムモデルであり、「GR86」や「GRスープラ」のような生粋のスポーツカーとは性格が異なることは言うまでもありません。
ただ、実用性や快適性が高いプレミアムモデルであるからといって、質の高いスポーティな走りができないわけではないということを、われわれユーザー自身もアップデートをしていく必要がありそうです。
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「実用性の高いスポーツモデル」は、欧州市場で高いニーズがあると言われています。
実際、メルセデス・ベンツやBMW、アウディといったプレミアムブランドも4ドアのスポーツモデルを多くラインナップしているほか、コンパクトな「ホットハッチ」も定番となっています。
ポルシェも販売の大部分を占めているのは「カイエン」や「マカン」などのスポーツSUVであるほか、フェラーリやランボルギーニでさえも4ドアのSUVをラインナップに加えています。
また、欧州市場は世界で最も電動化が進んでいる地域のひとつであり、スポーツモデルであっても電動化は必須と呼べる状況です。
一方、新型クラウンシリーズは、世界40の国や地域で販売されるグローバルモデル。
明言こそされていませんが、新型クラウンシリーズが近い将来欧州市場へと導入されることはほぼ確実だと言えます。
そうなったとき、急先鋒となるのは「実用性の高いスポーツモデル」である新型クラウンスポーツなのかもしれません。
クラウンスポーツの内装が凄いんじゃなくて
クラウンクロスだっけ?の内装がこのくらいでなきゃいけなかった気がする…
内装自体は落ち着いてて良いと思う