なぜ東京都は「ド派手 広告トラック」の規制を強化? 「県外ナンバー」も審査対象へ その理由とは

都市部の繁華街などで見かけることの多い「広告トラック」ですが、東京都はそれらトラックの「デザイン審査の対象」を拡大する方針だといいます。そもそも広告トラックは、どのような過程でデザインが決まり、どのように運用されているのでしょうか。

広告トラックのデザイン審査対象を拡大する?

 東京都は広告を掲載するトラックに対して、デザイン審査の対象を拡大することが一部メディアで報じられました。
 
 そもそも広告トラックは、どのような過程でデザインが決まり、どのように運用されているのでしょうか。

都外ナンバーを付けていることが多い広告トラック、なぜ?
都外ナンバーを付けていることが多い広告トラック、なぜ?

 都心部や繁華街などで、アーティストの新曲プロモーションや、キャバクラやホストクラブなど宣伝などを行う「広告トラック」を見かけることがあり、とくに東京・渋谷や新宿などでは頻繁に走行している様子が目撃されています。

 これら広告トラックの正式名称は「広告宣伝車」となり、大型トラックの側面/背面に広告デザインを施して、人通りの多い場所を何度も走り回り、注目を集めることでサービスや商品の宣伝を行うことを目的としています。

 一方、広告トラックはその過度に派手なデザインが街の景観を損なうとして、これまで市民から苦情が上がっていました。

 実際にSNSでは、「ギラギラした色使いで街中を走っているのは不快になる」「あまりに派手な色使いは運転の支障になる」などといった声が寄せられています。

 それらの声に対して東京都は2011年に、都条例の「屋外広告物条例施行規則」を一部改正し、都内を走行する広告宣伝車は公共社団法人「東京屋外広告協会」からデザインに対しての承認を受けなければ走行できないという形になりました。

 しかし、この条例はデザイン審査の対象が東京都のナンバーの広告宣伝車に限定されているため、都外ナンバーの宣伝車は協会の審査を受けずに都内を走行することが可能だったこともあり、実際には都内を走行する広告トラックのほとんどが都外ナンバーとなっており、実際に神奈川や埼玉、千葉などのナンバーを付けていることが多いです。

 そこで今回、東京都がこの広告トラックのデザインに対して、審査の対象を拡大するということが一部メディアで報じられたことで注目を集めました。

 東京都が都外の周辺自治体とともに広域的に広告の審査基準を策定し、統一するというものです。

 この規制に対し、SNSでは「小さい子がいる家庭なんかは大迷惑だと思うから規制してほしい」「誰が見ても大丈夫なような広告にしてほしい」などといった、規制に賛成する声が多数寄せられています。

かつては東京都も「新型コロナウイルス感染症」に関する宣伝も行っていた(クレジット:時事通信フォト)
かつては東京都も「新型コロナウイルス感染症」に関する宣伝も行っていた(クレジット:時事通信フォト)

 そうした中で東京屋外広告協会では、広告物に対してどのような審査基準を設けているのでしょうか。

 東京屋外広告協会の担当者は「公序良俗に反していないかや、交通の妨げになるようなデザインでないかを基準にし、審査員が総合的に判断して決めます」と話します。

 また、今回話題となっているキャバクラやホストクラブなどの広告物に対してはどのような判断をするのでしょうか。前出の担当者は次のように話します。

「東京都で、風俗業に関する企業からのデザインの申請というのは滅多に来ません。

 もし申請が来た場合には、その業種だからダメというのではなく、あくまでデザインに問題があるかどうかで、その都度判断します」

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