「車中泊避難」万が一のために知っておくべきこと 「エコノミークラス症候群」リスクの予防策とは
車内でエコノミークラス症候群を予防するためにはどうすれば良いのか
せっかく寝床が確保できたとしても、エコノミークラス症候群は絶対に避けなければなりません。
車内ではどのように過ごすのが良いのでしょうか。
車内など狭いところで長時間足を動かさずにいると、血液の流れが悪くなります。そして、水分摂取不足などの理由から血液が固まりやすくなります。
固まった血液(血栓)が血管を流れ、肺に詰まって肺塞栓症(はいそくせんしょう)などを誘発する恐れがあり、場合によっては死亡に至るケースがあるといわれています。
これらの症状を深部静脈血栓症、別名エコノミークラス症候群といいます。飛行機のエコノミークラスの狭い座席に長時間座ることが要因で、引き起こされる症状から名付けられています。
一般に、エコノミークラス症候群を引き起こす要因として「長時間同じ姿勢(足を下げている)」「水分不足」「ふくらはぎ部分の血液が固まり、血栓を作り静脈が拡大して損傷する」の3点が挙げられています。
車中泊避難では、上記の条件がすべて揃います。
狭い空間で長時間同じ姿勢で過ごすことが続くのに加え、避難時はトイレ事情に問題があることが指摘されています。
避難者の人数に対してトイレの数が不足し、トイレに行きにくくなることから、過去の災害避難では特に女性が水分摂取を控えてしまうことが多かったといいます。これが血栓症を引き起こす一因となったのです。
車中泊避難で同じ姿勢の状況が継続的に続くことで、血栓が発生しやすくなります。
その血栓が静脈を通り、肺に流れてくる際に肺の血管を詰まらせることで、エコノミークラス症候群を引き起こすのです。
「動悸がする」「胸が痛くなる」「息苦しくなる」の症状が出たら、エコノミークラス症候群の疑いがあります。すぐに医師の診断を受けなければいけません。場合によっては命の危険もあると考えられます。
厚生労働省では「エコノミークラス症候群の予防のために」と題したリーフレットを配布するなどし、対処を呼び掛けています。
エコノミークラス症候群は、症状が現れるまでは無自覚なことがほとんどなので、意識的に早めのケアが大切です。定期的に予防体操やストレッチで対処しましょう。
車中泊避難におけるエコノミークラス症候群予防は誰でもできるものです。
気をつけたいのはこまめな水分摂取(理想は体重60kgの人で1.2リッター)に加え、眠る姿勢にあり、足と身体ができるだけ水平になるように工夫することが大切です。
次に、3時間に1回程度、定期的にふくらはぎを足先から上部に向かってマッサージしたり、足の指でグーパー体操をしたり、つま先を引き上げたり、かかとを上下につま先立ちするなど、足の運動を行うと良いでしょう。
着圧ソックスなどを持っていれば、着用し意図的に足先の血液が心臓へ戻りやすくする工夫も一助となります。
さらに、水分摂取の制限をしないためにも、簡易トイレを用意しておくことをオススメします。
また冬場は保温のためのカイロや毛布、夏場は熱中症対策も重要になってきます。
いずれにしても、車中泊避難は身体への負担や精神的ストレスも大きいものとなります。
連続2~3日を限度に無理のない範囲で行い、避難所へ移ることも検討しましょう。
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