「車中泊避難」万が一のために知っておくべきこと 「エコノミークラス症候群」リスクの予防策とは
過去の自然災害時、指定避難所ではなく「車中泊避難」を選択した人も多くいましたが、車内で血栓症(エコノミークラス症候群)を引き起こし死亡したケースも報告されています。万が一の際、車中泊避難時のリスクを避ける「対処術」について紹介します。
万が一に備え自家用車で車中泊避難するための準備をしておこう
地形や地質、気象条件などが重なり、世界の中でも自然災害が多いとされる日本ですが、過去に発生した災害では、プライバシーを守れるなどの理由で、指定避難所ではなく「車中泊避難」を選択した人も多くいました。
しかし不幸にして、車内で深部静脈血栓症(以下:エコノミークラス症候群)を引き起こし死亡したケースも報告されています。こうしたリスクを避けるためには、どのように対処したら良いのでしょうか。
災害が起こったときの避難場所として、住居の近隣の学校や公民館などが指定避難所として利用できるようになります。
ところが、収容人数に限りがあることに加え、コロナ感染の不安、さらにペットや子供、お年寄りが家族にいる場合は、車中泊避難を選ぶケースも多いといいます。
これは周りに迷惑をかける心配や、プライバシーの確保が難しいこと、いざというときにすぐに移動できることがあげられます。
近年、旅の新しいスタイルとして車中泊を楽しむ人が増えていますが、緊急時にやむを得ず車中泊避難を行うような場合では、車内の装備が「寝る」のに不十分なケースもみられます。
災害はいつ起きるかわかりません。万が一に備え、自家用車で車中泊避難するための準備を普段からしておくのが良いでしょう。
そして自家用車が、必ずしも寝床を確保しやすいクルマとは限りません。
限られた空間の中で、寝るためのスペース確保や装備、快適に過ごすための工夫について、日頃から考えておくことが重要です。
まず車中泊避難に準備しておきたいグッズとしては、キャンプで使う寝袋やマット、またダンボールや毛布、厚手のタオルなどが挙げられます。
身近なものを活用しながら、少しでも快適な環境に整えることが重要です。
また車種やボディタイプによっても、車内での過ごし方は変わってきます。
室内スペースが限られるセダンや軽自動車の場合、運転席と助手席を倒して過ごすのが良いでしょう。
席の背もたれをできるだけ後ろに倒して、フラットな状態に近付けます。足元には荷物や段ボール箱を置き高さを作り、身体が水平になるよう工夫すると、足も伸ばしやすくなります。
比較的空間に余裕があるミニバンやワンボックスバン、SUVなどは、後席を倒し拡大した広い荷室空間を寝床にするのが向いています。
またシートアレンジによって、前後の座席をつなぎフルフラットにできるタイプもありますが、慣れていないと上手くできない場合もあります。
取扱い説明書をみながら、ベッドスペースのつくり方について一度は試してみることをオススメします。
一見するとフラットなシートでも、実際には凹凸があったり角度がついているほか、クッションが硬いものなど、そのままでは寝づらい場合もあります。
さらに車種によっては、荷室の床面上へ直接寝るケースもあります。
キャンプ用のエアマットなどがあれば理想ですが、無い場合でも家庭にある折りたたみタイプのマットレスや毛布などを敷いて工夫してみると良いでしょう。
しかしどのボディタイプでも、注意しないといけない点があります。それは、就寝できる人数には限りがあるということです。
5人乗りの乗用車や軽自動車であればせいぜい大人2人まで、後部がフラットになるミニバンなどでも大人3人がギリギリといえます。
大前提として、車中泊可能な就寝人数は、乗車定員数には満たないことを知っておく必要があります。
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