さよなら「V8エアロキング」…JR東海バス最後の1両が3月引退 国産2階建てバス「直6」との“最後の共演”を計画
JR東海バスに残った国産2階建てバス「エアロキング」4両のうち、V8エンジンを搭載した2005年式が3月に引退。これに合わせてラストランツアーが計画されています。
3月に「V8と直6」最後の共演
ジェイアール東海バスは2023年2月15日、同社が保有する2階建てバス「エアロキング」のうち、V型8気筒(V8)エンジンを搭載した最後の車両が3月に引退すると発表しました。
エアロキングは三菱ふそうが製造していた国産の2階建てバスです。1980年代後半に登場し、眺望の良さや着席定員の多さから観光バスや高速バスなどに導入されました。
JRバスグループでも都市間の高速バス用に大量導入され、JR東海バスでは東京~名古屋間の「東名ハイウェイバス」や夜行高速バス「ドリーム号」に使われています。
しかし、国内では2010年にエアロキングの製造が終了。2016年頃から外国製の2階建てバスが輸入されるようになり、JR東海バスでは2019年から導入している状況です。
JR東海バスに残っているエアロキングは4両で、今回引退するのはその中でも唯一の2005年式(MU612TX)である「744-05991号車」です。
この車両は、製造当時の大型車に多く採用されていたV8エンジンを搭載。JR東海バスは「走行中の力強い音はバスファンのみならず大変人気のあるものでした」と振り返ります。
ちなみに大型車のエンジンの主力はその後、排出ガス規制の強化などに合わせて、V8から直列6気筒(直6)に変わっています。
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そして今回、JR東海バスは、744-05991号車の引退に合わせてラストランツアーを開催。
現在も東名ハイウェイバスとして走る2010年式エアロキング(BKG-MU66JS)との乗り比べや、すでに廃車となったバス車両の部品やグッズの販売も行います。
乗り比べは、引退する2005年式と現役の2010年式に1時間ずつ乗車。一般道はもちろん高速道路も走り、エンジン音や眺めを味わいます。
また、2005年式の1階席「プレミアム・シート」と、2010年式の2階席「ビジネス・シート」といった特別な座席の違いも楽しめます。
このほか、すでに廃車となっているバス車両の部品を販売。車両正面に付いていた「JR」のエンブレムや、ドリンクポケットなどが出品される予定です。
さらに、2005年式・2010年式のエアロキングに加え、外国製の2階建てバス「InterCityDD」も展示。2階建てバスの世代交代に立ち会えます。
ラストランツアー「V8と直6が奏でる最後の共演。MU612TX&BKG-MU66JS」は、3月18日と19日のそれぞれ午前・午後に開催。旅行代金は5000円から6000円です。
申し込みは3月6日13時まで、JR東海バスのウェブサイトで受け付けます。申し込み多数の場合は抽選です。
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