トヨタ・レクサスが電動化加速! 話題の“ミニランクル”登場に期待!? 佐藤次期社長が目指す「これからのトヨタ」

「知能化」「多様化」はどうなる?

 2つ目は、知能化です。ここで注目されたのは、「ソフトウエア基盤のArene(アリーン)が、販売店との連携やアプリを通じた新しいサービスにもつながる」という指摘でしょう。

 これまでのトヨタの説明では、アリーンは、アップルのiOSやグーグル(親会社はアルファベット)のアンドロイド オートモーティブOSなどと同じ、車載OS(オペレーティング・システム)という解釈でした。

 今回の説明では、社会インフラという観点で、アリーンをどのように使うのかという出口戦略を明確にすることを強調しています。実証試験の場としては、ウーブン・シティを活用すると言います。

佐藤恒治次期社長を中心としたトヨタの新体制執行役員
佐藤恒治次期社長を中心としたトヨタの新体制執行役員

 ウーブン・シティについてはこれまで、2020年1月に米・ラスベガスの家電およびITの世界最大級見本市CESで世界公開され、その後に静岡県裾野市での工事着工などが話題なりましたが、最近はその進捗について外向けの情報発信がほとんどない状況でした。

 2020年代中頃にはウーブン・シティの初期工事が完成する模様なので、これにあわせてアリーンによるサービスが具体的にどのようなものなのか、ユーザーが知ることになるのではないでしょうか。

 これまでのクルマでは考えられないような、日常生活に大きな変化を及ぼす新サービスが始まる可能性があります。

 そして、3つ目は多様化です。パワートレインについても、トヨタが「マルチパスウェイ」という言葉で表現するように、国や地域によって社会情勢や各種の規制の動向は大きく異なります。

 これまでも多様なクルマをラインナップしてきたトヨタですが、例えば主に海外市場をターゲットとして開発されたクルマが、日本でのライフスタイルの変化によって、日本仕様に変化するといった多様化が今後あるかもしれません。

 また、「アジアのカーボンニュートラルの実現」についても、タイ最大の民間企業OPグループとのパートナーシップを軸に、電動化やモビリティ関連の官民連携の実証を進めると言います。これは、近年アジア圏へのBEVを軸に積極的な進出を始めている中国への対抗策だとも考えられるでしょう。

※ ※ ※

 佐藤氏は、新体制では「チーム経営」だと強調します。そのうえで、「適材適所」、または「肩書より役割」を重んじ、サッカーチームのように、柔軟にフォーメーションを変えるフレキシブルな体制を心がけると言います。

 トヨタの新体制で、はたしてどんなクルマが生まれるのか、今後のトヨタの動向を注視していきたいと思います。

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Writer: 桃田健史

ジャーナリスト。量産車の研究開発、自動車競技など、自動車産業界にこれまで約40年間かかわる。
IT、環境分野を含めて、世界各地で定常的に取材を続ける。
経済メディア、自動車系メディアでの各種連載、テレビやネットでの社会情勢についての解説、自動車レース番組の解説など。
近著に「クルマをディーラーで買わなくなる日」(洋泉社)。

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1件のコメント

  1. あれ?そもそも1人乗りなのに左ハンドルツーシート?
    重量バランス悪く無いか?それとも「道路外でなら二人乗れますよ」なの?

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