トヨタ新型「プリウス」の「スポーティペダル」新採用に深い「ワケ」あり! オルガンペダルから得られるものとは

トヨタの新型ハイブリッドカー「プリウス」はスポーティさを打ち出したモデルとなり、新たに「オルガン式ペダル」が採用されました。このペダルの採用にはどのような理由があるのでしょうか。

新型プリウスの「スポーティペダル」なぜ採用?

 トヨタは2023年1月10日に、新型「プリウス(ハイブリッドモデル)」を発売しました。
 
 内外装デザインから走行性能にいたるまでスポーティさを全面に押し出していますが、新たに「オルガン式ペダル」が採用されたことも特徴のひとつです。この採用にはどのような経緯があったのでしょうか。

低燃費性能はそのままにスポーティさを向上させた5代目新型「プリウス」
低燃費性能はそのままにスポーティさを向上させた5代目新型「プリウス」

 1997年に世界初の量産ハイブリッドカーとして登場したプリウスは、デビュー25年目の節目となる2022年にフルモデルチェンジが実施され、5代目となりました。

 新型プリウスはユーザーに愛され続ける存在でありつづけるために、開発チームはプリウスのあり方をゼロから考え直したといい、「Hybrid Reborn」をコンセプトに掲げています。

 初代から引き継いできた高い環境性能はそのままに、「一目惚れするデザイン」と「とりこにさせる走り」を兼ね備え、内外装だけでなく動力性能もスポーティに進化したクルマになったといいます。

 パワートレインは3種類が用意され、ハイブリッド2種類とプラグインハイブリッド(PHEV)がそれぞれ設定されています。

 2リッターガソリンエンジン+モーターが組み合わされるハイブリッド仕様では、28.6km/Lを達成しつつ、従来モデル比1.6倍のシステム出力となる196馬力を発揮。

 1.8リッターガソリンエンジン+モーターを組み合わせるモデルでは、32.6km/Lを誇りながらレスポンスの向上を図ったといいます。

 また外部給電が可能なPHEV仕様では、2リッターガソリンエンジン+モーターのシステムをトヨタで初採用。

 高効率なダイナミックフォースエンジンと高出力の駆動用リチウムイオンバッテリーの組み合わせにより、従来型と同程度の燃費を維持しつつシステム最高出力233馬力を達成し、0-100km/h加速タイムは6.7秒をマークします。

 このように動力性能は大幅にアップデートされましたが、操作系統にもスポーティな走行を可能にする装備を採用しています。

 先代まで採用されていた通常の「吊り下げ式アクセルペダル」に代わり、「オルガン式ペダル」が装備されていることがポイントです。

 オルガン式ペダルはフロアを支点にしてペダル上部が奥へ倒れる動きをします。この形状によりアクセルを踏み込んだ際に、かかとを支点に足先を屈曲する動作とペダルの先端が奥へ倒れる動線が一致。

 自然な動きで踏めることから長時間の運転でも疲れにくく、かかとが浮かずズレにくいために微細なアクセルワークも可能となりスポーティな走行ができるといった利点があるといわれています。

 新型プリウスの開発担当者はこのオルガン式ペダルの採用について以下のように話します。

「新型プリウスでは燃費の良さは当たり前と考えており、さらに走りの良さを強調したモデルとなっています。

 そのなかで、『アクセルとブレーキのフィーリングを同じにしよう』という案があり、自然なアクセル操作によって、加速の伸びやコーナーからの立ち上がりがスムーズにできれば『愛車』としてのうれしさにつながると考えました。

 そこで、オルガン式を採用しました。さらに、ペダルを踏み込んだ際のストローク量を変更し、踏んだ量に対するレスポンスも向上させています」

※ ※ ※

 オルガン式ペダルの採用について、機能面でメリットがあるという側面だけでなく、そこで得られる喜びが新型プリウスのキーワードである「愛車」へとつながっていると考えることができます。

 これまでのプリウスにはなかった走行性能のアピールが、今後どのように評価されていくか、購入したユーザーからの反響についても期待が高まります。

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