スライドドア車で一番売れた!? トヨタ「ルーミー」指名買いなぜ多い? ライバルにはない強みとは?
2022年の登録車ランキングで、トヨタ「ルーミー」が4位にランクインしました。スライドドアを有数するライバル車も多いなか、ルーミーが支持されるのにはいくつかの理由があるようです。
ハイブリッドがなくても「ルーミー」が売れまくり!
トヨタのコンパクトトールワゴン「ルーミー」は2022年に10万9236台を登録し、普通自動車登録ランキングにおいて4位にランクインするとともに、スライドドアを有するモデルではトップとなりました。
昨今はハイブリッド車が人気となり、多くのミニバンやスライドドア車がハイブリッド化するなか、ルーミーはガソリン車のみの設定です。それにもかかわらず、トップを維持し続けている理由はどこにあるのでしょうか。
ルーミーが売れている理由としてはトヨタディーラーの販売網が大きく影響していることでしょう。全チャネルですべてのトヨタ車を販売できるようになったことによってディーラー数の減少はあったものの、2022年7月時点で約5000店舗のトヨタ系ディーラーが存在。
これは国内に展開している自動車ブランドのなかでもトップの店舗数で、2位となるホンダ系店舗の2倍以上となっています。
近くにお店があり、現車が見られて相談もしやすくて頼りになるというのは消費者心理としても安心できることから、購入へのハードルが低くなり、その結果、ルーミーが売れているといえるでしょう。
一方で、トヨタ車のラインナップでもライバルといえるモデルは存在します。車格は違いますが、ハイブリッドと5人乗りの2列シート車を有し、走りも高評価になった新型「シエンタ」は、ルーミーを検討する際にトヨタ車のなかで最大のライバルとなるはずです。
しかし、トヨタの営業マンに聞いてみると「悩む人は少ない」とのこと。ディーラーに足を運ぶことを悩んでいる人もいるそうですが、実際に展示車や試乗車を見てみるとシエンタかルーミーにするかは即決することが多いといいます。
ルーミーを購入する決定的な理由として、ボディサイズが挙げられます。
ルーミーのユーザー層は、子育て中のママや高齢ドライバーが購入とすることが多く、ボディサイズや取り回しのしやすさ、運転席からの見切りの良さなどがルーミーを購入する決め手になるそうです。
また、若干ではありますが納期の問題でルーミーに決める人もいるとのこと。記事を書くにあたりトヨタの営業マンに質問した2023年1月中頃時点で、ルーミーの納車時期が3月以降なのに対し、新型シエンタはハイブリッド車が8月以降。ガソリン車は3月末から4月以降となっているのですが、新型シエンタを購入するならばハイブリッド車を選びたいという声も多いらしく、納車待ちが短いというのもルーミーが売れる理由になっているといいます。
そんなルーミーの最大のライバルといえるのが、スズキ「ソリオ」です。ルーミーと同じく2列シートでスライドドアを有するコンパクトミニバンですが、こちらはルーミーにはないハイブリッドシステム(マイルドハイブリッド)を搭載しており、ルーミーよりも燃費性能が優れていて価格帯も近くコストパフォーマンスに優れています。
そんなソリオの2022年登録台数は4万1590台で登録車全体の15位。スズキのディーラー数が全国約1200店で若干増加傾向にありますが、ソリオとルーミーの台数の差はディーラー数の違いも影響しているのでしょう。
しかし、その差が表れるもうひとつの理由が維持費です。燃費はソリオのほうが優れていますが、ルーミーは1リッター、ソリオは1.2リッターとなるため自動車税の区分が異なります。ルーミーの自動車税が2万5000円なのに対し、ソリオは3万500円と5500円の差があります。
前出のトヨタの営業マンは「ルーミーを購入する人は維持費を気にすることも多い」ともコメントしており、自動車税が5000円以上も安く済む点もルーミーが支持される理由のひとつといえそうです。
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2016年から販売されているルーミーは、ライバルのソリオなどと比べるとそろそろ古さが隠せない部分もありますが、2023年も安定して売れ続けるのではないでしょうか。
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