極寒でも問題なし!? クルマの寒さ対策必需品「寒冷地仕様」三菱車の装備が強すぎる!
寒い時期に対応するクルマの装備に「寒冷地仕様」があり、メーカーによってはオプションとして設定されています。なかでも三菱車の装備が充実しているといいますが、どのようなものがあるのでしょうか。
三菱車の「寒冷地仕様」が充実しすぎ!
多くの国産メーカーは新車にメーカーオプションとして「寒冷地仕様」を設定し、新車購入時に選べるようになっています。
寒冷地仕様とは、その名の通り寒い地域に対応するための装備を組み合わせたもの。たとえばトヨタ「ヤリス」では、「寒冷地での使用を考慮して、装備の充実を図っています」としてワイパーとフロントウインドウの凍結を電熱線で溶かす「ウインドシールドデアイサー」、後席へヒーターの温風を送る「ヒーターリヤダクト」、そして電気作動することでエンジンが温まらなくても暖房が機能
さらに公式ウェブサイト内の「よくある質問」を見ると、凍結防止としてエンジン冷却水の濃度アップ、フロントドアガラスの撥水処理、ワイパーモーターの強化、ウォッシャータンクの容量アップが施され、ドアミラーのヒーターなども追加されていると説明。これだけの変更がありながら、オプション価格は2万1000円からとわずかです(北海道で販売される車両は標準装備)。
一方、同じトヨタのヤリス系でも「GRヤリス」のFFモデル(RS)だとヤリスの内容に加えてバッテリー容量アップやオルタネーターとスターターの強化も実施。同じメーカーでも車種によりその内容は違いがあることが理解できます。
そんななか、驚くのが三菱自動車の寒冷地仕様の充実度。同社のウェブサイトを見ると、「ワイパーデアイサー」や「ヒーテッドドアミラー」といった一般的な寒冷地向け装備に加えて、次のようなものを設定しています。
●バッテリー容量アップ/強化バッテリー
低温時の始動性の悪化を防ぐ
●スタートアップヒーター
エンジン冷却水の温度が低い時に暖房性能を高める電気式ヒーター(PTCヒーター)
●ヘビービューティヒーター
寒冷地に向けて強化したヒーター
●スノープロテクター
プロペラシャフトやディファレンシャルギヤなど下回りの部品に雪が付着するのを防ぐカバー
●ラジエーターシャッター
冷却水が必要以上に冷やされて暖房性能が低下するのを防ぐための、ラジエーターに風が当たらないようにするシャッター
●エンジンアンダーカーバー
エンジンルーム内への雪の侵入を防ぐエンジンルーム下のカバー
●フューエルラインヒーター
極寒地において軽油の流動性が悪くなりエンジンがかかりにくくなるのを防ぐために燃料フィルター内部の軽油を温めるヒーター
三菱といえば現在は国内展開してないものの「パジェロ」など極悪路を走るためのSUVを得意としてきたメーカーであり、また悪路走破性に優れたミニバンの「デリカD:5」をラインナップするなど極寒の降雪地域でクルマを使うユーザーを多く抱えています。
車種によって異なるものの、あまり一般的ではない装備まで寒冷地仕様として用意しているのも、ある意味「三菱らしさ」といえるでしょう。凍った軽油を融かすフューエルラインヒーターはさすがです。
ちなみに、寒冷地仕様は寒冷地以外に住んでいる人ももちろん購入可能。東京などあまり寒くならない地域に住んでいる人でも、ウインタースポーツや旅行、帰省などで寒い地域に行くことがあるという人は新車購入時に選ぶのがおすすめです。
ちなみに、スバル車は基本的に寒冷地仕様の用意がありません(OEMモデルを除く)。その理由は「全モデルが寒冷地仕様に準じる装備内容」となっているから。そんなこだわりも、雪国に強いスバルといわれる所以のひとつといえるでしょう。
Writer: 工藤貴宏
1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに寄稿している。執筆で心掛けているのは「そのクルマは誰を幸せにするのか?」だ。現在の愛車はマツダ CX-60/ホンダ S660。
コメント
本コメント欄は、記事に対して個々人の意見や考えを述べたり、ユーザー同士での健全な意見交換を目的としております。マナーや法令・プライバシーに配慮をしコメントするようにお願いいたします。 なお、不適切な内容や表現であると判断した投稿は削除する場合がございます。