もしパトカーが「事故起こしたら」責任はどうなる? 乗用車の方が「過失割合80%」一体どんな時?
クルマを運転する際、交通事故には気をつける必要があります。市民生活の安全を守るパトカーも同様ですが、もし仮にパトカーと乗用車が事故を起こした場合、その後どうなるのでしょうか。
パトカーが衝突事故! その後どうなる?
クルマの運転する際は安全運転が基本ですが、一方で交通事故に遭遇する可能性もあるでしょう。
2023年の年始には埼玉県越谷市の十字路交差点でパトカーと乗用車が衝突する事故が起きており、慎重な運転を求められるパトカーであっても事故当事者になることがあります。
では、もしパトカーが乗用車と接触事故を起こした場合にはどうなるのでしょうか。
パトカーと一般的なクルマとの事故は、主にパトカーが緊急走行をしている際に発生するケースと、通常のパトロール中に発生するケースに分けられます。
まず、パトカーが赤色ランプを点灯しサイレンを鳴らしながら緊急走行をしている際に事故が発生した場合について見ていきます。
例として、見通しの悪い交差点において、青信号で交差点に進入したクルマと赤信号を徐行せずに進入したパトカーが出会い頭に衝突した事故の場合、一般のクルマ側の過失割合が80%、パトカー側の過失割合が20%という風に一般のクルマの過失割合が高くなる傾向にあります。
さらにパトカーが交差点できちんと徐行していたり、交差点に先に進入していたというような事情があれば、クルマ側の過失がより大きくなることもあります。
これは、道路交通法第40条の「緊急自動車の優先」において、緊急自動車が近づいてきた場合には一般のクルマが交差点を避け、かつ道路の左側に寄って一時停止しなければならないと定められているためです。
ただし、いくら緊急自動車が優先であっても、赤信号で交差点に進入する際や一時停止場所を通過する際には他の交通に注意して徐行する必要があるほか、歩道の通行禁止、急ブレーキ禁止などは遵守しなければいけません。
その時々の状況によっては緊急自動車側に大きな過失が認められることもあるのです。
一方、通常のパトロール中のパトカーが信号待ちで停止中のクルマに追突した、パトカーが右折時に直進のクルマに衝突したなどの事故を起こした場合は、警察車両だからといって特例があるわけではなく、一般的な交通事故と同様の過失割合になります。
事故の状況によって過失割合は変わりますが、一般的に停止しているクルマへの追突事故であれば追突した側が100%の過失、右直事故に関しては信号が双方青であれば右折車が80%の過失割合になるといわれています。
ここで気になるのは、パトカーとの事故によってケガをしたりクルマが損傷するなどした場合に、治療費やクルマの修理代などの補償があるのかという点です。
実は各都道府県警察の車両の多くは、一般競争入札によって決められた自動車保険に加入しています。
一例をあげると、2020年に警視庁が損害保険ジャパン日本興亜株式会社と、2022年に長野県警察があいおいニッセイ同和損害保険株式会社と自動車保険の契約をおこなっていることが判明しています。
もしパトカーとの事故が起きた場合には、双方の過失割合によって内容は変わるものの、治療費や修理代などは任意保険によって補償されるといえるでしょう。
そのほか、交通事故で損傷したパトカーがその後どうなるかという点も気になるところです。
軽微な損傷であれば修理をして再び警察活動に使用しますが、大破するなどして引き続き使用できない場合には廃棄処分されます。
警察車両についてはその仕様や装備の特殊性から、解体して処分することになっています。
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警察という立場上、パトカーには慎重な運転が求められますが、徐行や安全確認が不十分だったために一般のクルマとの交通事故が起きる可能性もゼロではありません。
パトカーが緊急走行をしている場合には、通常の交通事故と異なり一般のクルマ側の過失が大きくなるケースもあるため、運転の際にはサイレンなど周囲の音が聞き取れるように配慮することが望ましいでしょう。
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