世界を魅了したケン・ブロック氏、事故死… スノーモビル運転中に! HOONIGAN公式が発表

日本のクルマ文化を尊重していたケン・ブロック

 ケン・ブロックはこれまで何度か来日しており、近年の東京オートサロンでは動画再生回数億回を誇る、「ジムカーナ」シリーズそのままの圧巻の走りを多くの来場者の前で披露してくれていました。

 そして2023年。トーヨータイヤの招へいで3年ぶりに東京オートサロンにゲストとして来日することが発表されており、筆者含めて楽しみにしていたファンも多かったと思いますが残念ながらこんな悲劇が起こってしまいました。

 以前、ケン・ブロック氏にインタビューした時に、「命の危険」について筆者はこんな話を聞いていましたのでここで紹介させていただきます。

-- パイクスピークをはじめ、数々の「極地」にて素晴らしい走りを披露していらっしゃいますが、これまで、命の危険を感じたことはありますか?

 ケン:確かに危険な状況もあったよ。これからもあるだろうね(笑)。

 標高4000M超のガードレールのない山道でのドリフトはもちろん、街中のビルにぶつかることだってあるだろうし、森の木にぶつかるかもしれない。

 だから、常に安全には細心の注意を払っている。

 管理されていない状況で無茶な走りをするのは絶対にダメ。

 危険なことをやるならきちんと管理された場所で(道路を封鎖するなどして)挑戦するべきだね。

 それは、自分自身の命に関わることでもあるし、誰かに危害を加えてしまう可能性だってある。

 だから僕は普通の街の中では絶対にやらないよ。

 自分は危険と感じていないけど、真似する人が現れて事故を起こしてしまうことは絶対に避けなくてはいけない。

-- 今後走ってみたい道、都市、クルマで挑戦してみたいことはありますか?

 ケン:ぜひ、東京でやりたいね!ビルの谷間を走り抜けてみたいよ!

 日本のクルマカルチャーは素晴らしい。独特の文化を持っている。独特の文化が育っている。

 日本は島国で、それでいて世界有数の自動車生産国だから、世界に誇れる独特の自動車文化が育つ…そんな土壌があるんだろうね。

※ ※ ※

過去に東京オートサロンに展示されたマシン
過去に東京オートサロンに展示されたマシン

 日本の若者のクルマ離れについて尋ねた際にはアツいメッセージもいただきました。

「日本のクルマはとてもユニークな歴史を持っているし、日本の自動車文化は世界にも例を見ない素晴らしい独自性を備えているんだよ。

 せっかくそんなに素晴らしい、日本という自動車王国に生まれたのだから、クルマへのパッションを失くして欲しくないね」(ケン・ブロック)

※ ※ ※

日本のクルマ文化のすばらしさを語ってくれたケン・ブロック。

「いつか東京の街を走ってみたい!ビルの谷間を走り抜けてみたい!」という彼の夢は叶うことはなく、思いもよらないスノーモビルの事故で旅立ってしまいました。

心からご冥福をお祈りします。

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Writer: 加藤久美子

山口県生まれ。学生時代は某トヨタディーラーで納車引取のバイトに明け暮れ運転技術と洗車技術を磨く。日刊自動車新聞社に入社後は自動車年鑑、輸入車ガイドブックなどの編集に携わる。その後フリーランスへ。公認チャイルドシート指導員として、車と子供の安全に関する啓発活動も行う。

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2件のコメント

  1. なんか寂しいね
    素晴らしい人が 次々亡くなってしまう
    (T_T)

  2. いつも日本車を使ってくれて、日本車のカッコ良さを世界に示してくれていました。
    もちろんムスタングも憧れのクルマですが。
    アメリカの自動車文化とライスロケットの組み合わせがとても楽しみでした。 RIP

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