自転車の「ヘルメット着用」実際どう思う? 罰則ないけど…「努力義務」2023年4月から
2023年4月から自転車のヘルメット着用が努力義務化されることが明らかとなりました。これについてユーザーからはどういった声があるのでしょうか。
「自転車のヘルメット着用」実際どう思う?
2022年12月20日、改正道路交通法に関する政令が閣議決定されたことにより、2023年4月1日から自転車に乗車する際には年齢に関係なく、すべての人がヘルメットを着用すること、また他の人を自転車に乗せる際にもヘルメットを着用させることが努力義務となります。
これについて、ユーザーからはどういった声が見られるのでしょうか。
これまでは道路交通法第63条の11にて「児童又は幼児を保護する責任のある者は、児童又は幼児を自転車に乗車させるときは、当該児童又は幼児に乗車用ヘルメットをかぶらせるよう努めなければならない」との規定があり、保護者が13歳未満の子どもにヘルメットを着用させることを努力義務としていました。
しかし、警察庁の統計によると交通事故全体に占める自転車関連事故の割合は2016年以降増加傾向にあり、2021年中には6万9694件もの自転車関連事故が発生しています。
さらに、2017年から2021年までに自転車乗車中の事故で亡くなった2145人の身体の損傷部位を調査した結果、頭部を損傷した人が1237人と、全体の約58%を占めることが明らかになったほか、ヘルメットを着用しなかった場合の致死率は着用していた場合と比較して約2.2倍高くなることも判明しています。
このような背景もあり、児童や幼児だけでなく「全年齢」のヘルメット着用が努力義務化されることとなったと考えられます。
努力義務は法律で「~するよう努めなければならない」と規定されるものの罰則はなく、ヘルメットをかぶらずに自転車を運転していたとしても切符を切られる、刑罰に問われるといったことはありません。
ただし、自転車が関連する事故においてヘルメットを着用していなかったことが過失割合や賠償額などに不利益にはたらく可能性は考えられます。
では、今回のヘルメット着用の努力義務化に関して、ユーザーからはどういった反響があったのでしょうか。
SNSでは「ヘルメットは努力義務でなく完全に義務化してほしい」「ヘルメットの努力義務化より自転車の交通ルールを厳しくしてほしい」などの声が聞かれます。
上記の声に関しては、交通ルールを守らない自転車ユーザーに対する不満が依然として多く、厳しい措置を求める気持ちの表れと考えられます。
自転車はクルマと異なり運転免許が必要ではない上、信号無視や一時不停止など特定の違反行為以外には厳しい罰則が設けられていません。
しかし基本的な交通ルールが守られない状況が続いたり、自転車による重大事故が増加するなど状況によっては今後さらに交通ルールが厳しくなる可能性はゼロではないでしょう。
また厳しい罰則を求める声のほかに「自転車道路の整備・充実を進めてほしい」という意見もありました。
自転車専用の道路を整備すればクルマや歩行者などとの接触事故を減らすことができるかもしれませんが、道路の整備には莫大な費用と時間がかかると想定されます。
ヘルメットの努力義務化は、できるだけ費用をかけずに自転車関連事故による被害を最大限抑えるというねらいがあるのかもしれません。
このようにヘルメットの完全義務化や自転車の交通ルールの厳罰化などを求める声がある一方で、「ママチャリにヘルメット姿はダサい」「髪型が崩れたり蒸れたりするのが嫌だ」といった声もありました。
ヘルメットをかぶることで外見や髪型に制限が出ることを気にする人も多いようです。
最近販売されている自転車用ヘルメットの中には通気性を良くして蒸れを抑えたり、ポニーテールでも着用できるなど使いやすい工夫がされているものも多くあるため、そのようなヘルメットの使用を検討してみても良いかもしれません。
また「駅までチャリで行ったらヘルメット持って電車乗るの?」「駅まで行くだけでヘルメット?」の声も。
そのほか、「自分の命を守るためにヘルメットをかぶった方が良い」と努力義務化に賛成する人の中には身内が自転車事故に遭い、頭を打ってくも膜下出血になったという経験を持つ人もいました。
交通事故を他人事ととらえている人もいますが、自分や家族がもし交通事故に遭ったら、ということを想定して安全対策を講じることは非常に重要です。
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2023年4月1日からは、自転車ヘルメットの着用が「全年齢」で努力義務となります。
ヘルメットを着用していなくても罰則はないものの、交通事故が発生した際に大きな怪我をしたり、過失割合などで不利益となってしまう可能性があります。
今回の改正を機に、交通ルールについて家庭で話し合ってみても良いでしょう。
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