空港ではたらくクルマは普通免許で運転できる? 車検は必要?「航空機地上支援車両」の秘密に迫る!

車検はどうしてる?

 もうひとつ気になるのが、空港内だけで走行するのであれば、車検は不要なのではないかということです。公道ではなく施設内なので、道路運送車両法の適応外となるのでしょうか。

「ご指摘の通り、道路運送車両法で定められる法定点検はありません。ただし、各空港で定められている安全管理規程にて定期点検が求められています。

 JALではこれに加えて、メーカーの点検基準などをもとに独自の点検を実施しています」(JAL担当者)

ボーディングブリッジのない場所から乗員や乗客の乗降用に開発された「パッセンジャーステップ」(画像提供:JAL)
ボーディングブリッジのない場所から乗員や乗客の乗降用に開発された「パッセンジャーステップ」(画像提供:JAL)

 GSEは公道を走行することもありますが、その場合はもちろん道路運送車両法にて定められる法定点検(いわゆる車検)が必要になるといいます。

 GSEは大きく分けて「貨物の運搬・搬出入」「航空機の移動」「乗員の搭乗降」に加え、「食料や飲料水など物資の搬入」「機体の整備・給油」など、作業ごとに専用の機能があります。

 このGSEを製造しているメーカーは、航空会社によって違いはあるものの、我々一般的なドライバーとはあまり縁のない会社ばかり。

 JALが採用しているGSEのメーカーは、トーイングトラクターが豊田自動織機など、ハイリフトローダーがシンフォニアテクノロジーやTREPELなど、ベルトローダーがシンフォニアテクノロジーなど、パッセンジャーステップがシンフォニアテクノロジーやTipsなどとなっています。

 このなかで注目したいのが豊田自動織機です。工業用機械だけでなく自動車部品も製造するメーカーで、名前でもわかる通りトヨタグループの会社ですが、同社の自動車部門が独立したのが、我々が知る「トヨタ」なのです。

 またシンフォニアテクノロジーは、発電機や電動機だけでなく航空宇宙、産業用大型車両の製造も請け負う電機メーカー。こちらは神戸製鋼系列から派生したメーカーです。

 このように、GSEの開発には多くのメーカーが携わっており、飛行機のスムーズな離発着を可能にしているというわけです。

 ほかにも、空港ではたらくクルマとして、航空機事故に備えた専用装備を搭載する「空港用化学消防車」や「空港用医療作業車」、航空機の先導や滑走路の点検などに使用する「フォローミー」、専用の除雪車を含む空港内の「路面清掃車」などもあります。

 また、GSEの整備に関してはメーカーに依頼するだけでなく、整備を請け負うグループ企業があります。一般道より安全基準が厳しい空港内ではたらくクルマだけあって、専門チームが整備をおこなっています。

※ ※ ※

 空港ではたらくクルマは、我々が普段乗っている一般車両とは違う、独特の魅力があります。

 飛行機に乗るときに早めに空港に到着し、どんなGSEがはたらいているのかを探すだけでも十分楽しめそうです。

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2件のコメント

  1. 空港用「化学」消防車だと思うんですけど…

    • このたびはご指摘をいただき、誠にありがとうございます。
      修正いたしました。

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