「このままでは日本は駄目になる?」 なぜトヨタは挑戦する? カーボンニュートラルの取り組みで見えた豊田社長の思いとは
2022年12月14日にトヨタはタイの大手企業CPグループとタイでのカーボンニュートラルに向けた協業の検討を開始しました。昨今世界中で叫ばれるカーボンニュートラル社会の実現ですが、なぜトヨタはタイで動きだしたのでしょうか。
フェアな動きでカーボンニュートラルを加速させるためには
昨今では、世界中でカーボンニュートラルの実現に向けた取り組みがおこなわれています。
とくに自動車産業では、クルマを作る段階から使う段階などすべてのサイクルにおいてカーボンニュートラルに取り組んでいますが、世界トップクラスのトヨタは全方位戦略を展開。
そうしたなかで、新たにタイでのプロジェクトが発表されましたが、どのような内容だったのでしょうか。
2022年12月14日、トヨタのタイ法人となるタイトヨタの設立60周年記念式典を開催。
式典には、来賓としてスパッタナポン・パンミーチャオ・タイ王国副首相兼エネルギー大臣をはじめ、政府関係者、サプライヤー、ディーラー、タイ日本大使館関係者などが出席していました。
この式典でトヨタのタイトヨタの山下社長は次のように説明しています。
「トヨタは、カーボンニュートラル実現に向けて全方位で取り組んでおり、車両だけではなく、生産工場や物流においてもCO2削減に取り組んでおります。2014年以降、私たちはCO2排出を40%も削減してまいりました。
最近では『2030年までに30%のBEV導入』を目指すタイ政府のZEV推進パッケージにタイトヨタが合意したことも発表いたしました」
また同日にはタイの大手財閥であるCharoen Pokphand Group(以下CP)は、タイ国内においてカーボンニュートラルの実現に向けた協力を検討していくと発表しています。
今回、CPの交通サービス事業を担うTrue Leasing Co., Ltdの参画のもと推進していくことで、エネルギーを「つくる」・「はこぶ」・「つかう」プロセス全体の一気通貫で、カーボンニュートラルの加速に向けて「今すぐできるCO2削減を進める」と説明しています。
具体的な取り組みとしては「家畜の糞尿から生まれるバイオガスを活用した水素製造」、「上記の水素を活用した配送トラックのFCEV化」、「コネクティッド技術を活用した最適配送ルート提案等による物流効率化」といった内容ついて社会実装を検討していくようです。
加えて、輸送業の課題解決やカーボンニュートラル実現を目指し設立されたCJPT(Commercial Japan Partnership Technologies)がアジアでも参画することで、カーボンニュートラルの取り組みを全産業・全国民が一体となった仲間と取り組んでいくとしています。
トヨタは、経営理念「幸せの量産」を掲げており、世界中の人々に移動の自由を提供するため全方位のパワートレイン戦略を展開しています。
そうした背景もあり、このタイにおけるカーボンニュートラルの取り組み、そして日本との違いなど、トヨタの豊田章男社長は次のように話しています。
「自動車産業において、カーボンニュートラルの選択肢は、EV(電気自動車)だけでなく、FCEV(燃料電池車)、HV(ハイブリッド車)、PHEV(プラグインハイブリッド車)などお客さまが選べるように選択肢を用意することが大切です。
水素に関してはラリーベルギーで水素ヤリスを走らせたことで欧州の関心度は高まりました。
そして今度は、アジアとしてタイでCPとの取り組みや水素カローラをレースで走らせることで、アジアでもカーボンニュートラルを加速させるということを初めています。
これまでEVが唯一の選択肢と世の中ではいわれていましたが、そうではなくあらゆる可能性を考えていかなければいけません。
トヨタはすべてのパワートレインに本気で挑んでいます。
今回、タイの政府関係者とも話ましたが、CPとの取り組みや水素関連などの話についてまず『ありがとう』といってくれました。
しかし、日本ではどれだけトヨタが雇用増加やカーボンニュートラルなどさまざまなコトをやっても感謝されません。
さらに、すぐに規制といったことで足を引っ張ってきます。
私はジャパンラブの人間ですが、日本以外の国ではトヨタがやってきたことに感謝されますが、日本では感謝されないこともあり、さすがのジャパンラブも陰りを見せています。
このままでは日本は終わってしまいます。どうかカーボンニュートラルや税制など日本の未来のためにフェアな動きになってもらえればと思っています」
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今回、タイでの水素プロジェクトはタイ政府をはじめさまざまな迅速な支援のもとわずか数か月で発表に至ったといいます。
そして、タイでは「出来ることからやる」という姿勢で取り組むようです。
一方の日本はなにをするにも時間がかかるほか、さまざまな規制が設けられます。
「出来ることからやる」ことも出来ない日本ですが、今後自動車産業だけでなくあらゆる分野で日本が生き残れるか、日本政府の動きに注目です。
今後、自動車産業だけでなくあらゆる分野で日本が生き残れるか、日本政府の動きに注目です。
航続距離の問題。スタンドの数や24時間使えることとクレカ以外の決済が可能でしょうかね。無論、都市部だけではなく、僻地でもガス欠(電欠)しないように最低でも主要幹線に10kmごと配置くらいやってくれないと。
最後は所要時間。化石燃料だと3~5分で済みますから。補給が多くなって航続距離が短く、補給ポイントも少ないのでは普及しません。完全無人の施設(人員配置を必須とせず、遠隔での営業を国が許可する)とかじゃないと、企業も設置しづらいでしょうし、赤字になるなら市街地か交通量の多い道路以外は普及しないでしょうし。
エコと実用性は別の問題ですから。完全に代替えできるまでは法的・技術的な課題が多いんじゃないですか?。