なぜ通行出来ない? 意外と知らない「冬用タイヤ規制」 現場で条件違い混乱も? 実は通れるタイヤとは

NEXCOでも場所によって見解が違う? 具体例公示するNEXCO西日本の内容は?

 一方、NEXCO西日本が自主的に実施する冬用タイヤ規制については、厳密な基準を告知しています。

 2018年12月から、高知県自動車道の一部で施行されている冬用タイヤ規制では、マッド&スノータイヤでもスノーフレークマークが付いていないものは通行不可。

またトンネル区間が多い規制のため、タイヤチェーン装着車も通行不可という特殊な条件も含まれています。

 NEXCO東日本が通行できるタイヤの条件判断を警察に委ねる一方で、なぜ細かく告知しているのでしょうか。

 管理を担当しているNEXCO西日本・高知高速道路事務所の担当者は、次のように語ります。

「この区間の冬用タイヤ規制はまだ正式に法制化されておらず、あくまでも私どもが協力をお願いするという形でやらせていただいております。

 ですので、ドライバーの皆さんが分かりやすいように『こういうタイヤであればOKです』ということを告知させていただきました。

 今後、この区間の規制が法整備された場合は、また変わるかもしれません」

 最近のタイヤ市場では、オールシーズンタイヤがちょっとした流行りとなっており、頻繁に降雪地帯に行かないならコレで十分というユーザーも少なくありません。

 しかし、オールシーズンタイヤにもスノーフレークマークが付いているものと付いていないものがあります。

 当然、付いていないタイヤは冬用タイヤとして認められていません。

タイヤの側面に表記がある!左が「M+S」、右の山みたいなマークがスノーフレーク
タイヤの側面に表記がある!左が「M+S」、右の山みたいなマークがスノーフレーク

 そもそもスノーフレークマークとは、ASTM(米国試験材料協会)が定めた規格で、厳しい寒冷地でも十分な性能を発揮することを認めた証しとして、タイヤに付けられるものです。

 スタッドレスタイヤほどではないにせよ、冬用タイヤとして十分な性能を持っていることを示す業界の基準となります。

 これまでのM+S表記はメーカーの自主基準によるものだったため、スノーフレークマークはその1歩上をいく公的判断になりました。

 最近では、オールシーズンタイヤやSUV用マッド&スノータイヤにこのマークが付いているモデルも増加しつつあり、今後はこのマークが冬用タイヤ規制の判断基準になっていく可能性が大きいのではないでしょうか。

 しかし、現状での現場判断はダブルスタンダード。

 とりあえず、M+S表記のみのタイヤの場合は、別にタイヤチェーンなど滑り止め装置の準備もしていったほうが良さそうです。

【画像】通れる条件はココを見ればわかる? 意外と見ないタイヤの部分を写真で見る!(11枚)

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Writer: 山崎友貴

自動車雑誌編集長を経て、フリーの編集者に転向。登山やクライミングなどアウトドアが専らの趣味で、アウトドア雑誌「フィールダー(笠倉出版社刊)」にて現在も連載中。昨今は車中泊にもハマっており、SUVとアウトドアの楽しさを広く伝えている。

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