なぜガソリン価格が「25円」も安くなる!? 期待高まる「トリガー条項」が発動されない背景は? 緩和措置との違いとは
2022年度の第2次補正予算が成立したことで2022年12月末までとなっていた「燃料油激変緩和措置」の発動が、2023年3月末まで延長されることがほぼ確実となりました。一方で暫定税率分の25.1円/Lの課税を停止する「トリガー条項」の発動を求める声が見られます。なぜ「トリガー条項」は発動されないのでしょうか。
ガソリン価格が25円引き下がる?「トリガー条項」とは
2022年12月2日、2022年度の第2次補正予算が成立しました。
これにより、2022年12月末までとなっていた燃料油激変緩和措置の発動が、2023年3月末まで延長されることがほぼ確実となりました。
一方で、高止まりしているガソリン価格に対して、「トリガー条項」の発動を求める声が見られます。
そもそも「トリガー条項」とは、どのようなものなのでしょうか。
燃料油激変緩和措置は、レギュラーガソリン価格の全国平均が168円以上になると、1リッターあたり35円の補助金が石油精製事業者や石油輸入業者などの燃料油元売りに支給されるなどの制度です。
資源エネルギー庁によると、燃料油激変緩和措置による補助がなかった場合、レギュラーガソリン価格は200円/Lになる可能性もあったとしており、多くのユーザーが恩恵を受ける施策となっていました。
一方、ガソリン価格が高騰するなかで、たびたび話題となるのがトリガー条項についてです。
トリガー条項とは、2010年度の税制改正で導入された制度で、レギュラーガソリンの全国平均価格が3か月連続で160円/Lを超えた場合に、暫定税率分の25.1円/Lの課税を停止するというものです。
そもそも、ガソリン税(揮発油税と地方揮発油税)は、28.7円/Lが本来の税率(本則税率)ですが、道路整備の財源不足に対応することを目的に、1974年より、25.1円/Lが暫定税率として上乗せされています。
したがって、トリガー条項を発動すれば、レギュラーガソリン価格がおおよそ25円/L引き下がることが期待されます。
2022年は年間を通してレギュラーガソリンの全国平均価格が160円/Lを超えているため、多くのユーザーから「『トリガー条項』を発動させるべき」といった指摘がなされています。
一方、現状では「トリガー条項」が発動される見込みはありません。
これは、トリガー条項の根拠となっている租税特別措置法第89条は、2011年に成立した「東日本大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律」の第44条によって、「東日本大震災の復旧及び復興の状況等を勘案し別に法律で定める日までの間、その適用を停止する」とされているためです。
つまり、現時点では、「トリガー条項」そのものが凍結されている状態となっています。
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