なぜ西日本で「軽自動車」が多いのか? 軽シェア率は「西高東低」 地方特有の事情とは

軽自動車の需要が年々増加しており、新車販売におけるシェアが40%に及ぶとされています。人気の軽自動車ですが、都道府県別に見ると、シェア率50%を超える地域が西日本に集中しています。

九州や四国で軽自動車のシェアが50%超え

 近年、新車価格が軒並み上昇していることもあり、車両価格や維持費が安い軽自動車が人気を集めています。

 この人気の要因には、軽自動車の商品力が向上しているほか、公共交通機関が不便なエリアでの生活の足として活用されていることがありそうです。

西日本で軽自動車のシェアが高くなる理由は?
西日本で軽自動車のシェアが高くなる理由は?

 全国的に見ると、新車市場における軽自動車のシェアは約40%といわれていますが、地域によっては50%以上にのぼるところも存在。

 そんな軽自動車のシェアを都道府県別に見ていくと、50%を超える地域が西日本に集中していることがわかります。

 走行しているクルマの2台に1台が軽自動車というのはかなりの占有率だといえますが、なぜ西日本では軽自動車が多く走っているのでしょうか。

 一般社団法人 全国軽自動車協会連合会が公表している「軽三・四輪車県別保有台数と保有シェア(2022年3月時点)」をチェックしてみると、軽自動車のシェア率が50%を超えているのは、高知県(55.6%)、長崎県(55.4%)、和歌山県(54.4%)、沖縄県(54.1%)、島根県(53.4%)、鹿児島県(52.8%)、鳥取県(52.7%)、愛媛県(52.4%)、宮崎県(51.6%)、佐賀県(51.2%)の10県。

 とくに九州と四国に集中しており、この10県以外でも、香川県と徳島県もシェア率は50%弱。大分県が約50%となっています。

 逆に軽自動車のシェアが低いのは、東京都(21.5%)と神奈川県(27.2%)。北海道も札幌地区(29.6%)は低く、ほかのエリアもそれほど突出することもなく北海道全体では32.6%と低くなっています。

 この傾向をさらに裏付けるキーワードがあります。それは「離合(りごう)」です。東日本ではあまり聞き覚えのないワードですが、西日本(とくに九州や四国)では当たり前のように使われる言葉だといいます。

 離合の本来の意味は「鉄道の単線区間で、上りと下りの列車が駅や信号所などで行き違う」こと。これをクルマに置き換えると、狭い道でのすれ違いを意味しているのだとか。狭くカーブの多い山岳路などで対向車と出会い、「離合できんかもしれんな」というような使い方をするのだそうです。

 離合は、軽自動車のシェアが高めの広島県(44.9%)や山口県(47.5%)でもよく使われており、西日本の道路事情を表しているワードのひとつであり、主要幹線道路はともかく枝道に入ると狭い道が多く、ギリギリすれ違うケースが多い道路事情を象徴しているといえそうです。

 狭い道ですれ違うには小さいクルマのほうが扱いやすく、軽自動車が売れる理由のひとつとなりそうです。

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2件のコメント

  1. 特に雪が少ない地方では4WDが必要ないので2WDの安い車が買えるという利点も大きいでしょうね。
    豪雪地帯では逆に4WDじゃないとスリップで坂を登れないなど、交通の阻害をしてしまうため、雪道では安心な4WDが好まれます。
    5MTで2WDだと最低グレードの車は100万円を切りますから随分と安いですからね。
    4WDでは120万円ほど。4WDの4ATでは140万円くらいになります。
    それに寒冷地仕様の有無や追加の防錆塗装の有無なども購入時のオプションに違いが出ます。
    メーカーに依っても寒冷地仕様に違いがあるようで、車体の板金の内部の防錆しかやらないところ。最初からシャーシーブラックでコーティングしているところ、オプションのところもありました。
    寒冷地ではバッテリーも大容量のものが好まれますし。

  2. 「離合」という言葉、大阪出身の友人から聞いたことがあります。東京や埼玉でも都市部では、道幅の狭い所がけっこうあります。駐車も小回りが利けば楽ですし出掛けるのも億劫でなくなります。
    最近の軽自動車は、高速道路もストレスなく快走できます。義実家への帰省に片道150キロ程、高速道路を走りますが苦になりません。大した進歩です。
    メーカーには、脱帽です。

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