なぜ西日本で「軽自動車」が多いのか? 軽シェア率は「西高東低」 地方特有の事情とは
公共交通インフラが少ない地域では軽自動車が重要な移動手段に
徳島県出身のYさん(40代)に、軽自動車のシェアが高い四国の道路事情を教えてもらいました。
「四国に軽自動車が多いと思います。というのも、東京や神奈川のように大都市と比べて鉄道などの公共交通機関が充実していなからです。
四国を横断する道は多いのですが、中央に四国山地がある関係で縦断できる道は限られています。
そうなると、海岸線に近いエリアには道が増えるのですが、隣接する港町では道幅が非常に狭いところもまだまだ多いんです」
海沿いの狭く曲がりくねった道が多い四国では一般道も狭いことが多く、さらに公共交通機関である鉄道の路線や本数も限られているとなれば、日常の足としてクルマを利用する人が増えるのはもっともです。
普段は電車で移動できクルマ1台で用が足りてしまう都市部とは違い、1家庭で2、3台のクルマが必要なエリアも多いということでしょう。
複数台を所有するということは、クルマ関連の税金もそれなりの額になることから、税金も含め維持費が安い軽自動車が選ばれるのは必然といえそうです。
「私の地元は古い住宅も多く、各家がブロック塀などで仕切られているうえに道幅も狭いんです。
また農地のあぜ道なども道幅が狭いうえに曲がりにくいので、小回りが利く軽自動車を選ぶのはごく自然の成り行きといった感じでした」(徳島県出身 Yさん)
またYさんいわく、徳島県は少ないものの、高知県では軽自動車の「車庫証明」がいらない地域も多いそうです。
登録車は国土交通省が母体となる各地域の陸運局が管理していますが、軽自動車は各自治体での登録。つまり自治体の判断次第では車庫証明がいらない場合もあり、手続きが簡略化できることも、軽自動車が普及する要因のひとつかもしれません。
「軽自動車であれば駐車スペースも確保しやすいですし、維持費も安い。地元の徳島では1人1台は大袈裟ですが、2、3台所有している家も多いです。
地方では軽自動車は日常生活に欠かせない交通手段なんです」(徳島県出身 Yさん)
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西日本で軽自動車が多い理由、それはその土地ならではの特性と道幅、公共交通機関の充実具合など各県の交通事情が関係しているようです。
そんな意味からも軽自動車の重要性と、進化してきた理由がよくわかります。今後間違いなく車種が増えそうな軽EVも、こういった地域では一気に普及するのかもしれません。
特に雪が少ない地方では4WDが必要ないので2WDの安い車が買えるという利点も大きいでしょうね。
豪雪地帯では逆に4WDじゃないとスリップで坂を登れないなど、交通の阻害をしてしまうため、雪道では安心な4WDが好まれます。
5MTで2WDだと最低グレードの車は100万円を切りますから随分と安いですからね。
4WDでは120万円ほど。4WDの4ATでは140万円くらいになります。
それに寒冷地仕様の有無や追加の防錆塗装の有無なども購入時のオプションに違いが出ます。
メーカーに依っても寒冷地仕様に違いがあるようで、車体の板金の内部の防錆しかやらないところ。最初からシャーシーブラックでコーティングしているところ、オプションのところもありました。
寒冷地ではバッテリーも大容量のものが好まれますし。
「離合」という言葉、大阪出身の友人から聞いたことがあります。東京や埼玉でも都市部では、道幅の狭い所がけっこうあります。駐車も小回りが利けば楽ですし出掛けるのも億劫でなくなります。
最近の軽自動車は、高速道路もストレスなく快走できます。義実家への帰省に片道150キロ程、高速道路を走りますが苦になりません。大した進歩です。
メーカーには、脱帽です。