「タクシー値上げ」実施 ドライバーはどう思う? 運賃改定に対する「現場の声」とは
19年ぶりの運賃改定にドライバーはどう思うのか
では、実際にタクシードライバーは今回の改定についてどう感じているのでしょうか。
23区内を営業するドライバーに直接聞いてみました。
23区内の大手タクシー会社に勤務する乗務歴7年の50代男性ドライバーは、以下のようにコメントしています。
「改定率14%で、実際どれだけ目的地まで値上げになるのかわからないので、しばらく経ってからでないと実感がわきません」
利用客の目的地や経由地、また同じルートであっても道路状況によって料金は変動するため、改定後すぐでは実感がわかないようです。さらに前出のドライバーはこう続けます。
「近距離は(利用客にとっても)明確に値上がりがわかるので、利用客が減る可能性がありますね。これらは我々の売上にはそこまで影響はないと思いますが、(利用客の減少については)しばらくは少々心配です」
いわゆる「ワンメーター」の初乗り420円を多用していた利用客は、今回の改定によりお釣りがもらえなくなるので、乗らないという選択肢を取る利用客も増えると予想できます。特に悪天候では、雨風を凌ごうと1km程度先の目的地へとワンメーター分だけ乗車する需要もあるため、そういったケースで見ると今後の営業収入への影響は免れないと予想されます。
また、先出のドライバーは料金改定の影響が意外なところに発生するといいます。
「釣り銭のバランスが変わり、10円玉・50円玉が少なめに。代わりに100円玉・500円玉の需要が増え、釣り銭箱の内容を変えなくてはいけません」
営業するにあたり、クレジットカードや電子決済だけではなく、現金決済の利用客も20%~30%程度いる(前出ドライバー)と話します。
今回の改正では10円単位の料金加算がなくなり、100円単位での料金加算となるため(深夜料金は除く)、10円玉や50円玉を使用する機会が減少。これに対応できなければすぐに100円や500円玉が底をついてしまうので、事前の準備に追われることとなります。
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公共交通機関が比較的充実している東京23区エリアにおいても、急いでいる人や「ドアtoドア」で出発地から目的地まで向かいたいなどの需要から、タクシーを利用する需要は現在でも多いのが現状です。
この運賃改定により、もっとも影響を受けるのは利用客ですが、じつはその影でサービスを提供する側のタクシードライバーにとっての影響も大きく、営業収入に関わってくれば死活問題となります。
この改定により利用客の変化やタクシー会社全般の売上にどう影響してくるかが注目されます。
タクシーも料金の自由化をしたら良いと思うんですよ。あとは付加サービスで料金を取るとか。利用する側も乗れればどうでもいい人から、快適さを求める人まで様々でしょうし。そもそも、地域ごとに料金が決まっているってのは他の業態では談合常態で、業界団体や行政がそれを強制するのは可怪しいのでは?。